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“歌系の趣味”のスタート…合唱との出会いその②

 “歌系の趣味”をなぜ続けているのか、と問われて、「生き方を考えるために続ける」と、答えたことをきっかけに(この記事で紹介)、“歌系の趣味”にまつわるエピソードから自分観察してみようというテーマの17回目です。幼少時代からの歌や音楽との接点を振り返って、どう生き方につながったか、と、沿革から考える流れですが、この“歌系の趣味”という表現のとおり、これを趣味として認識したスタートは、合唱でした。その合唱との出会い②。

①の振り返りと初練習まで

 合唱好きだった従兄弟が、合唱団に入団するのではなく、合唱団を創る。
 そして、それを手伝ってほしい、といわれたのが、“歌系の趣味”のスタートである合唱との出会いだった、というのが、①の記事のポイントでした。
 さて、そういう話が平成9年8月上旬にあり、従兄弟は、指導してくださる方を見つけるのに苦労していました。練習会場は比較的無難に(しかし、今思うと、あの会場の賃料を従兄弟は自腹だったので、そうとうな思い入れがあったことは間違いありません)確保することができました。

 実は、私が彼から声をかけられたのは、私の父が多少なりとも声楽をやっていたので、その繋がりで、私が当初は指揮をする、ということも想定していたようです。そんな発想になるほどの、素人の発想でスタートし、素人の考えで準備を進めていた、というのが、当時の実際です。さすがに私は、それは無理、とお伝えして、彼は、第一回練習の指導者を探すのに苦戦した、というわけです。

 結果的には、指導者がみつかっていないという状況を気の毒に思ってくださった方が、第2回の練習までに正式な指導者を見つけることを前提に、1度だけ、という条件で引き受けてくださって、記念すべき、第一回練習を、平成9年8月19日にむかえることができました。前回の記事で、8月第一週の高崎まつりがきっかけだ、ということは綴りましたが、わずか半月のできごとだったわけです。

学校で教わったけれど、実体験のないできごとの体験

 もともと、大木惇夫作詞・佐藤眞作曲の『大地讃頌』を歌いたい、というのが動機でした。ですから、第一回の練習は、当然これに取り組みます。

 1回かぎりとお引き受けくださった先生も、そこは理解してくださって、発声の練習のあとは、この曲の取り組みのスタートをしてくださいました。

あっと言う間の2時間でした。

 練習会場は、群馬音楽センター第一会議室。ここはほどよい響きがある、練習会場としては、かなりよい場所だと今でも思います。借りられる時間帯と、練習時間のズレの関係で、練習が終わってから1時間ほどの時間がありました。

 従兄弟をふくめ、この第一回の練習の設定に奔走したのは、男声が中心でした。そのメンバーがなんとなく、練習後、参加してくれた人たちが帰っていくのを見送ったあと、この第一会議室の片づけをしました。

 教わったことを少し復習してみよう。
 その程度のノリで、まだ所定の場所に戻していないピアノの周りで声を出してみました。

 さて、サブタイトルの、学校で教わったけれど、実体験のないこと。

 その一つ目は、本当に響あう声がでると、ピアノの弦が共鳴してなる、というお話。
それをこの時、体験したのです。
 素人の集まりでしたから、残った男声には、ピアノをまともにひける人はいませんでした。だから、最初の音だけピアノでとって、あとはやむを得ず? アカペラ。その中で、ピアノの弦が共鳴して、わずかながら音を発したのです。その幻想的なことといったら…。

 2つ目は、特に男声の場合、純正調でぴったりあうと、いないはずのソプラノの声が聞こえてくる。そんなことを教わった記憶はありましたが、これもはっきりと感じることができました。

 今振り返ると、素人集団で、発声もひどい状態のそれ。
 それでも、音は素直です。豊かに、とまではいえないとしても、ピアノの弦は応援してくれて、天使のソプラノもあらわれてくれた、というわけです。

これで、はまりました。

 人生の27年弱、前回綴ったように、合唱にはほとんど接点がなかった私がはまった理由は、実は、こんな、教わって、知識としてはあったけれど、体験したことがないそれを、初練習のときに体験できたこと。だったわけです。

 それは、奇跡的なんでしょうか? それとも、誰がやっても普通にそれは達成するよ、というレベルのお話なのでしょうか。いまだにわかりませんが、これで、私の人生はかえられていくことになったわけです。

 今回は、生き方にどうつながったのか、というお話は抜きですが、そんな大きなできごとがあって、今後の展開につながった、ということで、必要十分ではないかと思いますので、この辺で今回は引き取ります。

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 冒頭画像は、みんなのフォトギャラリーで「合唱」で検索してきた中から選択しました。その情報からは、どうやら第9の楽譜のようです。
 ちなみに私は、第9はいまだにフルに歌ったことはありません。合唱といえば第9。というのは、なぜか日本では定着していますね。
 などと、ちょっとなかながと、第9の写真を選択したことに言及したのは、今回の合唱との出会いの後の展開に関連があるからでもあったりします。
 みんなのフォトギャラリーで提供してくださった作者の方に、御礼申し上げます。

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