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呑み残した一杯の

永遠に償い難いような喪失感
何かが欠けている
胸がからっぽになるような、だるい喪失感
何かが分からない

それは、ああしてればよかったとかの後悔だったのかもしれないし
今はどこにも残っていない昔の自分の気持ちだったかもしれないし
そこにぴったりと嵌っていたピースがそこにはない
なにがあったのかすら思い出せない

でもたしかにそこにあったんだよ
あった気がするんだよ
思い出せない
気のせいなのかもしれない
確信が持てない

そしてボクはこう云い聞かせる

”それはきっと気のせいだ”

昔からなにも変わっちゃいない
変わった気がしているだけで
目覚めのぼぅっとした頭で夢を反芻するような
そんな不確かな輪郭をなぞっているにすぎないんだ
そう思っていれば気にならないはずだった

夜更けすぎに布団の隙間から隙間風が入る
何かが違うんだ
今にも叫び出してしまいそうだ
いや、すでにボクは叫んでいたのかもしれない
幻肢痛のような違和感が拭えない

気狂いとは
このようなことをいうのでしょうか
もっと綺麗なモノかと思ったのですが
いざ自分の身に降りかかると
心地よさはなく

ただ

ただ、ぽっかりと穴があいて

そこから覗き込む何者かが居て
こちらを見ています
怖くて怖くて堪らないのです
目を凝らしてよく見てみると

覗き込む者はボクだったのです

そうしてこう言うのです

”それはきっと気のせいだ”


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