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喧嘩をして気づいた、父の寛大さ

昨日は家でクリスマスを楽しんだ平和な日だったのに、今日は思わぬトラブルが発生した。父と喧嘩をしてしまったのだ。

きっかけは些細なこと。母が冗談のつもりで言ったことに腹を立てた私は、かなり強い口調で怒った。その場にいた父に注意された私は、これまた強い口調で父に対して言い返した。お互いに過熱して、ああだこうだ口論になった。しまいには、親に向かってなんて口の利き方をするんだと言われ、外に用があった父はさっさと家を出ていってしまった。

しばらく経って落ち着いてから、本当にまずいことをしてしまったと思った。

私はこれまで父と大きな喧嘩をしたことがなかった。父は私が中学生の頃から今もずっと単身赴任のために離れて暮らしていて、たまにしか会うことができない。一昨日帰ってきたばかりの父に、私はとても酷いことを言って、悲しませてしまった。

でもそれと同時に、私ばかり怒られて理不尽だという気持ちもあった。母の言葉に傷ついて反発したのに、それが原因で怒られるなんて、とも思った。だから、自分から謝りたくはないと思っていた。

自分の部屋で過ごしていると、父が家に帰ってきた。きっと父も謝らないだろうから、夕飯の時はさぞかし気まずくなるだろうと思った。

父は私の部屋の前に来て、ドアをノックした。そして、さっきはごめんね、酷いことを言ってしまって、とだけ言ってほかの部屋に行った。

…謝らなければならないのは私の方なのに、父から謝ってきたことに驚いたと同時に、申し訳なさが込み上げてきて、涙が止まらなくなった。私はすぐさまドアを開けて父にきちんと謝った。その場にいた母にも謝った。母もまた、私に謝ってくれた。父は全員に非があったからもう気にするな、と言ってくれた。

こうして、今さっき私と父は仲直りをした。仲直りをして、先に謝ってきた父の寛大さに心を打たれた。そして、自分のしたことを改めて反省した。

もう二度と喧嘩なんてしたくないけれど、もしその時は絶対に自分から謝ろう、と心に誓った。

(おわり)

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