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VERBE〜動詞的な日常

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「動詞としての文化」とは何かの考察
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#ファンタジー

非知性的な夢想の対象がファンタジー世界であること

ダルコ・スーヴィン『SFの変容』において、文芸作品は四象限に分類された。分類の軸は「自然主義的/異化的」と「認識的/非認識的」となる。

自然主義的とは、すなわちこの現実を舞台としていることだ。対して異化的は現実外世界を意味する。認識的とは確固とした学問体系に基づき新たな知見を獲得できるものを指し、非認識的は習得から遠ざかるものであろう。この図式に当てはめると、現実において新たな知見を得られるもの

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仮に人の繋がりが途絶えたとして

昨日の遠藤周作論から相変わらず人間の繋がりが欠落することについて考えている。

dアニメステーションで少し前に流行した『リゼロ』という作品を見た。

ラノベ黎明期(それがラノベと呼ばれる未来すら知らなかったが)の思春期を生きた僕らは、水野良や中村うさぎの小説を読みながら、ファンタジー世界に思いを馳せた。そういえばファンタジーを夢想する自分は、何もステイタスを持たない中学生であった。時を経て、現在は

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