マガジンのカバー画像

VERBE〜動詞的な日常

200
「動詞としての文化」とは何かの考察
運営しているクリエイター

2020年5月の記事一覧

ある事象に付随する価値の多様性

ある事象に付随する価値の多様性

先日生まれた次男との生活も三日目を迎えると、かつての経験が色々と呼び起こされてくる。六年前に長男を迎えたときの育児技術を少しずつ取り戻しつつある。

ランニングだ、筋トレだ、ヨガだと言い出す僕を捕まえた学生に「40歳を過ぎて挑戦するのがすごい」と言われたが、生来の飽き性なので新しいことに興味を持つと突進してしまうクセがある。結果、繰り返しているうちにそこそこ上手くなる。子育ても繰り返しであり、すべ

もっとみる
移動無き時代の国際文化学

移動無き時代の国際文化学

次男が無事に誕生し、妻の入退院のバタバタの中で長男の保育園を再開させてもらった。オンライン授業と家庭のことをこなすと時間が尽きるのだが、同時に30分〜1時間ほどの研究時間が取れるようになり、ようやく自分の仕事が戻ってきた。時間を工面しなければ仕事ができないところが大学に所属する研究者のつらさだろう。

産院は感染症対策で立ち入りを制限されている。家族に会うことも難しい世相だ。ましてや国を跨いだ移動

もっとみる
表面的な自我に惑わされず

表面的な自我に惑わされず

妻の第二子の出産が近い。今日の診察は、そのまま分娩になる可能性もある。5歳の息子は産院に立入禁止であるため、専属の託児所に預けることにした。

初めての環境に弱い息子だが、それは「親の印象」である。息子が僕に見せる甘えや我儘は、対面の中での「表面的なもの」に過ぎない。息子の内面は僕にもわからない。「知らない場所に預けると嫌がる」という親の想像を裏切ることは十分にあり得るだろう。

まずは息子を信じ

もっとみる
新たな習慣の獲得と、明日からの変化と

新たな習慣の獲得と、明日からの変化と

noteを開いたのが3月だが、そこから節酒し、体重が少し減った。少し痩せる必要があったので、自分を適合させてみた。

新年度の予定は大幅に狂い、日常はずいぶんと異なる形に変貌した。つねに子供が家におり、部屋で仕事をする。こんな生活にもずいぶん慣れた。新たな日常に慣れすぎたため、これまでの生活が容易に思い出せない。

「適正」なるもの、「天職」なるものを僕はあまり信用していない。「現実」はまず一つの

もっとみる
選び取り、捨てるだけのこと

選び取り、捨てるだけのこと

「趣味」という言葉に違和感を持っている。便宜的に「趣味」という言葉を使うこともあるが、「無駄なこと」「遊び」「贅沢」をしている気持ちは希薄である。

世の中には様々なものが溢れている。その中から自分の進む道を選び、没頭する。ただそれだけを繰り返している。

没頭したものが文学研究であったため、若い頃には「不要なことに金を使っている」などと言われたものだ。ただし僕にとっては「生きること」と同義である

もっとみる