私を差す月光

  大切な人ができました。失恋してからずっと、大切な人がもう一度できたらと願っていました。けれども、自分には無理だろうと思っていました。人とのコミュニケーションが苦手で、自分自身を上手く表現できず、自己を殺してしまうから。そして、大切な人ができたらと願っているにも関わらず、人を信頼できず、かつ大切な人なんて誰でもいいんじゃないかという合コンを劣悪に旅するように生活していました。

  そして、私の話を静かに聞いてくれ、理解をしてくれる彼女に出会いました。最初の私の感情は正直よく分かりませんでした。恋なのか恋じゃないのか。仲のいい友達なのか、それ以上なのか。けれども、私は彼女の側にいると安心することができました。それゆえ、ずっと一緒にいたいという感情が芽生え始めました。

  正直のところ、私は自分自身、しがない見た目も持たぬ学生であると自覚していますので、一緒にいられることはないだろうと思っていました。けれども、彼女はそんな自分を受け入れてくれました。彼女となら緩やかに、穏やかにこれからも生きていけるような気がします。逆に彼女が緩やかに、穏やかに日々過ごせるように、強い自分でありたいと考えるようになりました。

  彼女が私を照らしてくれたように、今度は私が彼女を照らしていけるように恩返ししたいと思います。

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