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1on1を使いこなす秘訣は? 「ウチの1on1」イベントレポート(前編)

こんにちは、GUiDEE開発チームのモイです!

今回は2019年9月26日に新宿にあるCUEBiCオフィスで開催された、One HRさん主催の1on1イベントのレポートをお送りします。

One HRは、主にHR事業者の若手メンバーで構成される任意団体。Innovation by HRをキャッチフレーズに、イベントを開催したりHR版のSDGsを作るなど、意欲的な活動をしています。

今回のイベントのタイトルは「ウチの1on1 -職種別・フェーズ別あるあるの傾向と対策-」。既に1on1を取り入れている会社の経営者や人事を対象としています。ゲストとして登場したのは、ヤフーで1on1導入の現場を身をもって体験してきた吉川祐介氏、クラウド1on1サービスを展開するYeLLの代表取締役櫻井将氏、そしてGUiDEEの事業責任者であるCUEBiCの川俣理晶。パネルディスカッションでは、パーソルプロセス&テクノロジーでHRサービス「HITO-Linkパフォーマンス」に携わる伊藤紗恵氏がモデレーターを務めました。

1on1をすれば時間ができる! - ヤフー吉川氏

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はじめにゲストの3名が、それぞれ「ウチの1on1」をプレゼンテーション。最初に登壇したのは、ヤフーで長年1on1に取り組み、今は副業としてキャリアデザインコンサルティングにて組織開発コンサルタントとしても活躍する吉川氏。日本で1on1に関わる人は全員読んでいるであろう「ヤフーの1on1」にも事例として登場する人物です。

ヤフーが1on1を導入したのは7年前。当時はWeb上にもほとんど情報がなかったそうで、1on1で検索してもバスケの1on1しか出てこなかったとか。検索結果が人事の情報で埋め尽くされる現在とは全然違いますね!

手探りで1on1を続けるうちに、だんだんと1on1を自分のものにしていった吉川氏。
・自分の型ができた
・観察力が身についた
・業務の中に組み込めるようになってきた
といった変化があったそうです。印象的だったのは、「1on1の時間がないではなく、1on1をすれば時間ができる、と強く言いたい」という言葉。しっかり1on1をできるようになると、1on1さえすればそれ以外の時間は部下に任せられるから、結果として自分の作業時間が増えるんだそうです。

ついつい「忙しくて1on1できない」といっているようでは、まだまだということですね。

相性はスキルより大事かも - YeLL 櫻井氏

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続いて登壇したのは、YeLLの櫻井氏。YeLL(エール)は、企業のリーダーに社外の「クラウドサポーター」との電話による1on1を提供するサービスです。櫻井氏の話でおもしろかったのは、1on1の役割の話。

人間は日々いろいろな刺激を受けて生きていますが、その中で意識に上がる(気づく)のはある一定のレベルを上回る刺激だけ、なんだそうです(上の写真参照)。だから従来の人事施策は、研修やジョブローテ、評価・フィードバックなど、外部刺激を強める方向で気づきを増やそうとしていました。ところが、いくら刺激を強めるといっても限界はあり、付いてこれない人も出てきてしまいます。1on1による傾聴や内省、承認、質問はより少ない刺激に目を向ける、従来とは反対方向の人事施策。だからこそ今の時代に求められているのではないか、というのが櫻井氏の指摘でした。

また多数の「クラウドサポーター(いわゆるメンター)」を抱えるYeLLならではの話題が、人と人の相性の話。櫻井氏は、「(メンターの)スキルより相性のほうが大事なのでは」といいます。これまで実施した1on1のデータを見ると、お客さんの満足度が高い(=スキルが高い)クラウドサポーターでも、必ず一定数は低い評価が付けられているとのこと。一方で「主張タイプと傾聴タイプ」など、タイプ別に見ていくと満足度が高い組み合わせが見つかるとのことで、YeLLでは相性がいい人同士をマッチングする仕組みを開発しているそうです。

1on1が自然発生的に広がった背景 - CUEBiC 川俣

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最後にプレゼンテーションしたのはCUEBiCの川俣。実はCUEBiCでは、1on1を制度として導入したわけではありません。社員の間で自然発生的に広がっていったのです。きちんと社内制度に組み込んだのはここ1−2年のこと。これは結構レアケースでしょう。

なぜそうなったのかというと、過去のnoteでも書きましたが、CUEBiCは徹底的にヒトに向き合う「ヒト・ファースト」を掲げています。このため、おそらく普通の会社よりもかなり多くの時間をコミュニケーションやワークショップに費やしています。

さらに社員の多くがマーケティングのメンバーだということも関係していそうです。CUEBiCのマーケティングは「私たちは何も知らない」が基本スタンスで、消費者インタビューを重ねてインサイトをあぶり出していきます。つまり年間何十本もインタビューをしている、人の話を聞くことが得意なメンバーが多いのです。

こういう土壌があるため、CUEBiCでは1on1が馴染みやすかったのだと思います。とはいえ、実際の実施状況は、熱心にやるチームからそうでないチームまで、部署によって濃淡があります。また社内には若い社員やインターンが非常に多く、彼らのマネジメントをサポートする必要もある。ということで「社内で活用するためにGUiDEEというサービスを開発しています」とちゃっかり宣伝もさせていただきました。

ちょっと長くなってしまったので、パネルディスカッションと質疑応答の模様は、後編として紹介いたします!

後編はこちら
→ 1on1をバズワードにするな! 「ウチの1on1」イベントレポート(後編)

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