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スペインの現代写実絵画  ホキ美術館  5/1〜9/1

死ぬまでに一度は訪れたいと思っていたホキ美術館にこの連休で行きました。
(あと死ぬまでに行きたいのは金沢21と札幌現美かな)

スペインの写実絵画といえば数年前に渋谷のbunkamuraであったアントニオ・ロペスが心に残っています。あれは本当によかった。これはそのときのポストカード。



入ってからずっと写実絵画っていうのも今までに経験したことなかったけど、本当に写真と見紛うほど。当然だけど近くに寄ると一筆一筆がちゃんと記されてあって何とも気が遠くなる。

よく思われていることだけど、写真と同じに描くなら写真でいいじゃん。って。

確かゲルハルト・リヒターが「写真と同じに描いても、いや、同じに描くことによってわずかに違う人間味を表現している」とたぶん言っていた気がする。



前半は日本人作家で構成されています。

いろいろ人によって好みはあるかもしれないけど、結局描く写真自体が良くないと、写真自体に何か訴えるものがないと見ていてもつまらない。


日本人作家の中では特にこの五味文彦の「白い花」が印象的でした。
何が写真を上回ったのだろうか。
緻密に描く苦労を想像させるような作品ではなかった。自然に受け入れられて、何かわからないけど、ぐっと心を掴まれる作品でした。



地下一階からは今回の企画展であるスペイン人作家の作品です。

日本とスペインでは写実絵画の捉え方が違うのは明らかでした。
スペインは写真というより絵画寄り。写実はあくまで作品の一部という感じ。

日本において写実が写真を描くと同義というなら、広角レンズで撮った作品やシャッタースピードを遅くした作品なんかもあるのかな。見たことないけど。そうしたら写実って意味そのものがよくわからなくなって、写実絵画も変わってゆくのかな。


ポスターのこのおじいさんの作品なんかは絵の表面が剥がされて現代アートの要素も入っている。首だけっていうのも写実絵画とは違う。



企画展もかなりの作品数がありましたけど、その中でもamaya corbacho martinの「ルシアひとり」が好きでしたね。レンブラントが好きなんで。
写実って現代になって見直されてますけど、結局はずっと昔からあった宗教画や肖像画となんら変わらない。やっぱり時代や流行は回るのかな。

今回思ったのは、ただそっくりに描くだけではやっぱりダメで、写実は付加価値だと感じた一日でした。


企画展は9/1までなのでお早めに。

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