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「本歌取り 東下り」 杉本博司  松濤美術館  9/16-11/12


今回の題名にある「本歌取り」とは現代風に言えば、古歌や巻物、写真などありとあらゆる芸術のサンプリング。
現代にその良さと重要性を蘇らせていると受け取った。
キュレーターなのかとも思うが、もう一歩先に行ってやはり作家だった。
杉本博司が画家でもなく写真家でもない美術家だとされるのがよくわかる企画展だと思う。


富嶽三十六景の再構築では写真を撮り、修正で現在ある灯りを全て取り払っている。
目的は何なのかを躊躇しない姿勢に好感がもてる。

写真も和紙っぽい紙に刷れば絵に見えるのに驚いた。


過去の自身の作品や他者の作品も表具することによって再提示している。

巻物から写真、詩、狂言映像までいろいろありすぎるけど、
見終わってみると杉本博司の世界だった。
それは常に古典へのリスペクトが感じられたからだろう。

なかなか珍しい芸術の分野だと思うので、ぜひ。
晴れた日には江之浦測候所へもどうぞ。

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