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青春時代の読書

学生時代から本は好きでした。
フランス文学専攻でしたから、勿論、フランス文学はいろいろ読みました。
モーパッサン、ドーテ、フィリップ、バルザック、ランボー、ボードレール、サンテクジュペリ、などなど。
ゼミではプルースト「失われた時を求めて」をやりましたが、難解でした。
自分の順番が回ってくると図書館に籠って翻訳に取り掛かるのですが、これが難しい。
もともと、テーマ自体も「時間」と「記憶」ですから、当たり前と言えば当たり前ですが。
しかし、モーパッサンの小説に出てくる、会話のお洒落なセリフが良かったですね。あのようなセリフは考えてもでてきません。
勿論、作家のセンスもあるでしょうが、それ以前の問題で文化の違いにあるのだと思います。

フランス文学以外にも日本文学、ロシヤ文学等も興味を惹かれる本は立て続けに読んだものでした。

何と言っても学生時代には一番の宝、時間がありました。
そして、脳の生理学的なものなのか、時間の流れが遅い。
なかなか時計の針が進まない。一週間が長い。一ヶ月なんて遙か遠くだった。
しかも、大学までの通学時間が長かったので往復で一冊、そんな感じでした。
精神的にも柔軟で、好奇心旺盛、感受性も新鮮だった時代だったのでしょうね。

高校時代には枕元にスタンドを置いて、モームの「人間の絆」「月と6ペンス」等を読み進め、気が付くと朝になっていました。
面白くて、面白くて止められなかった。

そんな時代がありました。
それから、年月も去り、今は読む本の幅も拡がりました。
しかし、あのような熱中時代はやはり、懐かしいですね。
自分が本当に生きていた、そんな実感があったような気がします。

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