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Questデータベース シニアに必須「バランストレーニング」

はじめに

今回は私のクライアントのパーソナルトレーナーの方からご要望があったので、覚書として「シニアのバランストレーニング」をQuestデータベースのフォーマットに合わせてまとめたものをお送りします。

シニア世代にとって高いQOL(Quality Of Life 生活の質)を保つためにも バランストレーニングは不可欠です。

ではシニア世代にとってバランストレーニングがどんな効果を生むのか?
どんな方法があるのか?
今回のnoteにまとめます。

さらに最後にはシニアのバランストレーニングについての私見を書きました。

この部分がもしかしたら一番伝えたいことかもしれません。
ぜひ最後までお読みください。


1.名称

シニアのバランストレーニング

2. 定義

シニアのバランストレーニングとは、身体の安定性と平衡感覚を向上させ、転倒リスクを減少させるためのエクササイズ全般を指します。

これには、筋力トレーニング、プロプリオセプション(位置感覚)トレーニング、コーディネーショントレーニングなどが含まれます。

3. 効果、目的

1.転倒防止

バランストレーニングは、特にシニア世代において転倒リスクを大幅に減少させます。転倒は骨折やその他の深刻な怪我の原因となるため、予防が重要です。

2.日常生活動作の改善

シニアが日常生活で必要とする動作(例えば、立ち上がりや歩行)の安定性を向上させます。

3.筋力の向上

特に下肢と体幹の筋力を強化し、身体の支えとなる力を高めます。

4.自信と積極性の向上

安定性とバランスが向上することで、シニアの自信が増し、活動的な生活を続けやすくなります。


4.方法

1.特記事項

バランストレーニングには、股関節周辺の筋バランス強化も重要です。

特に片足起立の際に骨盤の水平を保つための股関節外転筋である中臀筋、大腿筋膜張筋、腓骨筋などのラテラルライン(側面の筋肉群)の強化が求められます。

また、足底筋膜を中心とした足裏の機能向上も重要です。
これらの筋肉と構造が適切に機能することで、バランスと安定性が大幅に改善されます。

・中臀筋、大腿筋膜張筋の強化
方法
片足立ちやサイドレッグレイズ、バンドを使ったヒップアブダクションなどのエクササイズを取り入れる。
効果
骨盤の安定性を保ち、歩行や立ち上がり動作を安定させます。

・腓骨筋の強化
方法
カーフレイズやバランスパッドを使った片足立ちなど。
効果
足首の安定性を向上させ、転倒リスクを減少させます。

・足底筋膜の機能向上
方法
タオルギャザリングエクササイズや足底筋を刺激するマッサージボールの使用、カーフレイズでの拇指球から小指球の体重移動など。
効果
足裏の安定性を向上させ、全体のバランス能力を改善します。

2.その他の代表的なエクササイズ

・スタンディングニーレイズ
方法
足を肩幅に開いて立ち、片足を膝の高さまで上げ、バランスを保つ
数秒保持し、反対の足も同様に行う。
効果
下肢の筋力とバランス感覚の強化

・サイドステップ
方法
足を揃えて立ち、横にステップし、反対の足をステップした足に近づけ足を揃える。
これを交互に一定のリズムで繰り返す。
効果
側面の筋力、安定性とバランスを向上。

・片足立ち
方法
片足を上げて数秒間立ち続ける。
初期段階では壁や椅子をサポートに使っても良い。
効果
足首、膝、股関節の安定性を強化。
バランス調整能力の向上。

・プロプリオセプショントレーニング
方法
不安定な面(バランスパッドやバランスボール)で方足立になるなどのエクササイズを行う。
効果
筋肉と神経系の連携を強化し、バランス能力を向上。
特に足裏の固有受容器の感覚を敏感にし、不安定な状況での支持能力を高める。

・ステップエクササイズ(踏み台昇降)
方法
足を肩幅に開いて立ち、台への昇り降りを繰り返す。
ベーシックステップ、タップアップ、タップダウン、リフトなどのバリエーションがある
効果
バランス感覚の向上をするとともに下肢の筋力と心肺機能を強化することができる。

・片足によるボックススクワット**:
方法

安定した箱や椅子に背を向けて立ち、片足を上げて、残りの足でゆっくりと座る動作を行う。座った後、同じ足で立ち上がる。
効果
大腿四頭筋、ハムストリングス、臀部の筋力を強化し、バランス能力を向上。

5.よくある誤り

1.不適切なフォーム

正しいフォームでエクササイズを行わないと、効果が半減するだけでなく、怪我のリスクも高まります。

2.過度の依存

支えに依存しすぎると、バランスの改善が期待できません。

3.無理な負荷

自分のレベルに合わない負荷をかけると、怪我の原因となります。

4.不定期なトレーニング

継続的なトレーニングを行わないと、効果が持続しません。

6.その解決策

1.専門家の指導

トレーナーや理学療法士から適切な指導を受けることで、正しいフォームで安全にトレーニングできます。

2.適切なレベル設定

自分の体力やバランス能力に応じたエクササイズを選び、徐々に負荷を増やしていくことが重要です。

3.定期的な実施

毎日の短い時間でも、定期的にトレーニングを行うことが効果を持続させる鍵です。

私見

トレーナーの方が僕にシニア世代のバランストレーニングについて質問したのは厚労省の運動の指針でも「高齢者に推奨される運動」として、子どもにも成人にも特記されていなかった「バランス能力を高める運動」が含まれているからでしょう。
ですからメディアやネットでも「シニアにはバランストレーニングが必要」と言われることが多いようです。

しかし僕はこれには疑問があります。
シニア世代の方にバランス能力が必要なのはわかります。
それは同時にさまざまな運動能力が失われているから。
つまり筋力も心肺能力も全て衰えているわけです。

両脚でスクワットする能力も衰えている人に「片足立ち」になるトレーニングをいきなり取り入れたらどうなるでしょうか?

「難しい」
「やりづらい」
「上手くいかない」

一度そう思ったシニアの方が、次回のトレーニングを楽しみにして「行きたい!」と思っていただけるでしょうか?

一般成人には普通に二本足で立つトレーニングを指導しているのに、二本足で立つ能力も衰えているシニア世代の方にいきなりさまざまな不安定要素のあるトレーニングを実施することに僕は反対です。

もちろん転倒防止のためにバランストレーニングは必要ですが、そのためにもまず基礎的な運動能力の強化、回復から行うべきです。

そこにも明確な「エクササイズ ロードマップ」があることをトレーナーにも一般の方々にも、そしてこうなることをわかっていない「厚労省」の専門部会のもわかってほしいと切に願います。

結論

シニアのバランストレーニングは、転倒予防や日常生活の質の向上に不可欠なエクササイズです。
股関節周辺の筋バランス強化や足裏の機能向上を含む総合的なアプローチを採用することで、さらなる効果が期待できます。

正しい方法で定期的に実施することで、安定性や自信を向上させ、健康的な生活を支えることができます。

そのためにもシニアのトレーニングについてその特性を理解し、経験を積んだトレーナーの指導が不可欠です。

もし将来に向けてQOLを向上させるバランストレーニングに興味のある方はメールでご相談ください。

またQuestでのカウンセリング・体験トレーニングも受け付けております。

もちろんメールでのご相談や初回の体験トレーニングは費用はかかりません。

メールアドレス=
quest.traininglab@gmail.com

一人でも多くの方が、安心して前向きに日々の生活を送れますように!

今日も最後までお読みいただき、ありがとうございます!

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