見出し画像

「ランジ」バリエーション3選、徹底解説します

はじめに

前回のnoteではランジの定義、メリット/デメリット、そして前段階のスプリットスクワットについて解説しました。
まだお読みでない方はこちらも併せてお読みください。

今回はスプリットスクワットを経て、次の段階であるランジについて書きます。


ランジにはさまざまなバリエーションがあり、それぞれ異なる方向への踏み込みを特徴としています。
これら全ては広義のランジのカテゴリーに含まれ、下半身の筋肉を多角的に鍛えるために有効です。
ここでは、ランジの主要なバリエーションについて詳しく説明します。

矢状面のランジのロードマップ

前後に足を踏み出すランジに始めて取り組む場合、まず後ろに踏み込む「ステップバックランジ」から始めるようにしましょう。
それは前方に踏み込む「ステップフォワードランジ」に比べて、重心の前後移動が少なく、また前側の膝にかかる屈曲方向のベクトルが少ないため、膝の負担や求められる体幹の安定性の能力が少ないからです。

そこでまず「ステップバックランジ」についてご説明します。

ステップバックランジ

ステップフォワードランジとは反対に、後ろに足を一歩下げて膝を曲げ、その後前方に戻る動作を行います。
このバリエーションは、前方への踏み込みに比べてバランスの取りやすさや前脚の膝関節への負担が少ないものであり、下半身の筋肉をターゲットとします。

定義

後方への踏み込み動作を行うランジ

効果・目的

・特に後ろ足の踏み込み時の前足側の腿前の筋肉(大腿四頭筋)、お尻の筋肉(大臀筋)、そして腿裏のハムストリングスに対して効果的な負荷をかけることができる。
・前脚である軸脚の伸長性収縮による「減速」の局面での筋力とスキルを身につけることができる
・動作中の足関節、膝関節、股関節、骨盤、体幹など全身の安定性を高めることができる
・動作に必要な可動性が高まる
→以上により踏み込み動作が必要なあらゆるスポーツやアクティビティのパフォーマンスを高め、次の「ステップフォワードランジ」の準備にもなる

動作

1.スタートポジションで足を腰幅に開き、つま先を前に向け姿勢を整える
2.片足を通常の一歩よりもやや広く後ろに足を踏み出す。
3.着地の衝撃を吸収し、前の膝が曲がりすぎたり後ろの膝が床に強く当たったりしないように動作をコントロールし減速する
→その際、前の膝がくるぶしの後方にならないようにやや前方にドライブする
4.後ろの足で床を蹴り、スタートポジションに戻る

よくある間違い→修正方法

→次の「ステップフォワードランジ」の同項目を参照してください。

ステップフォワードランジ

定義

前方への踏み込み動作を行うランジ

目的・効果

・特に前側の踏み込み脚の腿前の筋肉(大腿四頭筋)、お尻の筋肉(大臀筋)、そして腿裏のハムストリングスに対して効果的な負荷をかけることができる。
・踏み込み脚の伸長性収縮による「衝撃吸収→減速」の局面での筋力とスキルを身につけることができる
・動作中の足関節、膝関節、股関節、骨盤、体幹など全身の安定性を高めることができる
・動作に必要な可動性が高まる
→以上により前方での踏み込み動作が必要なあらゆるスポーツやアクティビティのパフォーマンスを高める

動作

1.スタートポジションで足を腰幅に開き、つま先を前に向け姿勢を整える
2.片足を通常の一歩よりもやや広く前に足を踏み出す。
3.着地の衝撃を吸収し、前の膝が曲がりすぎたり後ろの膝が床に強く当たったりしないように動作をコントロールし減速する
→その際、前の膝がくるぶしの後方にならないようにやや前方にドライブする
4.前の足で床を蹴り、スタートポジションに戻る

よくある間違い→修正方法

1.左右の足幅がキープできない
→常に腰はばを保つ
→保てない場合、床にラインや目標物を置いて、そこに踏み込むようにする

2.脊柱の回旋が加わる
→常に「キープスクエア」で=左右の肩、腸骨が四角の面を保つよう体幹を安定させるためにそれがしやすい手の位置を見つける
→例:重いものを持つように両手を下げる、胸の前で組む など

3.着地の時の「衝撃吸収→減速」ができない
→十分な筋力を身につけるために「ウェイトを使ったスプリットスクワット」などを事前に行う
4.踏み込み動作で体が前に倒れてしまう
→まずステップバックランジから取り組む
→TRX ステップフォワードランジなど前方に倒れないエクササイズでフォームを習得する

ステップサイドランジ

定義

側方への踏み込み動作を行うランジ

目的・効果

・股関節内転筋群や外転筋群、大腿四頭筋などの強化
・即方向動作に対する下半身の各関節、および体幹の安定性の強化
・股関節の特に外転方向に対する可動性の向上
→以上により側方での踏み込み動作が必要なあらゆるスポーツやアクティビティのパフォーマンスを高める

動作

1.スタートポジションで足を腰幅に開き、つま先を前に向け姿勢を整える
2.軸足の膝を伸ばしたまま反対脚を通常の一歩よりもやや広く横方向に踏み出す。
3.着地の衝撃を吸収し、踏み込んだ脚の膝が曲がりすぎないように動作をコントロールし減速する
→その際、踏み込んだ脚の膝がつま先と同じ方向に向くようにする
4.踏み込んだ方の足で床を蹴り、スタートポジションに戻る

よくある間違い→修正方法

1.脊柱の回旋が加わる
常に「キープスクエア」で=左右の肩、腸骨が四角の面を保つよう体幹を安定させるためにそれがしやすい手の位置を見つける
→例:重いものを持つように両手を下げる、胸の前で組む など

2.踏み込み脚のニーイン(膝の内旋)が起こる
→踏み込み脚の股関節の外旋の感覚が掴めるまでは、踏み込み動作を行わないラテラルスプリットスクワットで動作習得をする
→その後TRX ステップサイドランジなど補助を使ってエクササイズでフォームを習得する

3.着地の時の「衝撃吸収→減速」ができない
→十分な筋力を身につけるために「ウェイトを使ったスプリットスクワット」などを事前に行う

まとめ

これらのランジバリエーションは、それぞれ異なる筋肉群に焦点を当て、運動のバラエティを豊かにすることができます。

運動プログラムにこれらのバリエーションを取り入れることで、下半身の筋力を均等に発展させ、動作の柔軟性を向上させることが可能です。

それぞれの動作を正確に、そして適切なフォームで実行することが、怪我のリスクを減らし、最大限の効果を得るために重要です。


動画セミナーのお知らせ

こんなエクササイズバリエーションのレベル別展開方法に関して、詳しく解説する新作動画セミナーをリリースします。
現在noteの読者のみなさんのみ最速先行割引価格でお申し込みいただけます。

詳しくは下のnoteをお読みください。


本日も最後までお読みいただき、ありがとうございます!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?