タラモサラダ__2_

連載『オスカルな女たち』

《 やさしくなれない 》・・・17

 一連の流れを見ていたつかさと玲(あきら)は、席に戻った織瀬(おりせ)に声を掛けられずにいた。これまで、自分たちといるところでとったことのない行動に驚いたからだったが、そんなふたりに織瀬は、
「ごめんね。取り乱して…」
 自分の行動に対し、静かに反省の言葉を述べるだけだった。
「そんなことはいいけどぉ、」
今のはなに?…と、ふたりの好奇の目が織瀬に訴えている。
「ちょっとね…。こないだ、いたずら電話かけちゃったから。謝って来たの」
 少し潤んだ目でそう答えた。
「いたずら電話!?」
 意外な言葉に目を見開くつかさ。
「あら、おもしろいことするのね」
 そっけなく答えていても、驚きを隠せない玲。
「だって…」
(だって、最近のわたしどうかしてる)
 少し間をおいてから、
「こないだ、玲のところで明日香さんと話をしたでしょう? 話をしたっていうか、一方的にあたしが喋ってただけだけど…」
 織瀬はうつむいたまま、ふたりの顔を見ないようにして話し始めた。
「えぇ。その節はありがとう。お陰様であちらはうまくいっているようよ」
 実際、あれから明日香がどうなったのかは、玲自身知りえるところではなかった。だが、あれ以来なんの連絡もないところにその答えがあるのだろうと解釈している。

いつもお読みいただきありがとうございます とにかく今は、やり遂げることを目標にしています ご意見、ご感想などいただけましたら幸いです