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蜜月の刻(とき)

友人と恋バナをするとき、よく「恋人に甘えられるか」という話題が持ち上がる。だが、たいていが「できない」と答えるのではないか。無条件に、気恥ずかしささえおくびにも出さず甘えられる人間は、よっぽど考えていないのか、ただ素直なだけのひと・・・・な気がする。

好きな相手にはカッコ悪い部分は見られたくない。もしくは知られたくない。だれもがそうだが、こと関係が深くなった後のことはそうはいかない。

女は甘えることで「あなたを敵視してはいない」と訴えているだけ…と思う。だが、中には悪意を持って相手を利用しようと思う輩もいるはずだ。そこには利益が絡んでいたり、もしくは自分以外の誰かを傷つけるための手段。しかし「手段」としながら自分を犠牲にするにはそれなりの理由がある。他人を傷つけておきながら、自分の欲望を満たしているということだ

女は可愛い存在でなければいけない。

だが、

女は可愛いだけの存在ではいけない。


「なに? 煮詰まってる?」
デスクに突っ伏する私に声を掛けたのは企画部のチーフを務める2つ上の、
「小雪先輩。お疲れ様です」

「コラムだって?」
「結局わたしは書かなくてもいいことになったのですが、インタビューは続けなきゃならなくて…煮詰まってます」
「インタビュー?」
「だって、聞けます?『初体験はいつですか』~なんて」
「まぁ、そうよね」
「そう言えば先輩もインタビューとかしてますよね?」
「そりゃ…? うちの雑誌は女を称えるバイブルだからね」

「わたしのインタビュー受けて下さい



「えぇ!?」

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