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連載『オスカルな女たち』

《 ポジション 》・・・5

「なんでもってきちゃうかなぁ…」
 ひとりごとのような真実(まこと)のぼやきも、ふたりの耳には入らない。
「…肝心なテーマについてはどうなの? え~と、『できる女、必要とされる女』だったかしら?」
「そうそう…」
 家に届いた雑誌をそのまま持ってきていたつかさも「その先が気になる…」とばかりに相づちを打つ。

『自分とは真逆の女』・・・。

 サブタイトルになるのだろうか、書き出しの最初にそう太字で記されていた。それを読み上げ、
「…随分と漠然としてるわね」
 憮然としてそっぽを向いている真実に投げかける玲(あきら)。
「え~でもまこちゃんらしいじゃない。…なになに。『私にとって“できる女”とは、解らないことを解らないと認め聞くことを恥と思わない…』。なるほどー。得意になって誇示しないってことね。確かに、大人になってからは見栄もあるから、なかなか人に聞けないかもねぇ」
 ふ~ん…と、それについての文言を黙読していくつかさ。
「もっともらしいこと言って…確かに真逆だわね。マコの場合、解らないことは解らないままで平気だものね」
言いながらクスリと笑う玲。
「うるさいよ…」
 ふてくされた真実は誤魔化すようにビールを喉に流し込む。

いつもお読みいただきありがとうございます とにかく今は、やり遂げることを目標にしています ご意見、ご感想などいただけましたら幸いです