チューリップピンク2

連載『オスカルな女たち』

《 守秘義務 》・・・7

「いいことじゃないか…?」
(てか、普段熱心じゃないみたいじゃないか…?)
「そういうことじゃなくて…」
なまめかしい視線をくれる楓に、真実(まこと)は苦虫を潰したような顔で応える。
「なに?」
(勘弁してくれ…)
楓は仕事も正確だしいい娘ではあるが、一般的に知られる恋愛気質とは多少違う性質を持っているようだ。

それと質して聞いたことはないが、どちらかといえば女性の方が恋愛対象として適当だと考えているのだろう。そしておそらく、真実に少なからず想いを寄せている。
「あの、特患のせいですか?」
特別患者…それは言わずと知れた〈弥生すみれ〉のことだ。だが、まだ、その人だと院内の人間には告げていない。
(いつまでも黙ってるわけにもいかないよなぁ…)
「その特患のことなんだけど、さぁ…。楓ちゃん、」
 改まって楓を見据える。

「いやですよ…」
「まだなにも言ってない」
「でも、言おうとしてる」
「あ…?」
「…あの特患の専任看護にしようとしてますよね」
(そんな時だけ勘がいい…)
 おでこを抑えながら、体を起こす。
「こんなこと楓ちゃんにしか頼めないんだよ~」
 情けない声を出してみる。

いつもお読みいただきありがとうございます とにかく今は、やり遂げることを目標にしています ご意見、ご感想などいただけましたら幸いです