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あの頃

先生、わたし…話したいことがたくさんあります
だけどきっと会ってしまったら、言葉が溢れて困らせてしまうかもしれない…

随分とご無沙汰していますが、お元気でしょうか?
わたしは相変わらずですが、あの頃より賑やかで、人前で話せるくらいの度胸がちょっとだけつきました笑

わたしはだいぶ先生を困らせていたと思うので、あまりいい生徒だったとは言えませんね。当時はわたしも反発していましたし、本当に子どもだったと思います
3年の時だったか…職員室で、先生に「大人になりなさい」と叱られ「どうやって大人になるのか解らない!」と食って掛かったことを覚えています。でもあの時は、本当にどうしたらいいのか自分のことも解らなくて、言葉をそのままでしか受け止められなかった
さすがに今なら理解できます。だからわたしは本当に子どもだったんだなと反省しています

先生に最後に逢ったのはわたしの結婚式でした。先生はもう「生徒の結婚式には出たくない」と言っていましたが、あとから「たゆちゃんだから」と話していたと聞きました。その説はありがとうございました。恥ずかしながらわたしの隣にいるのはあの時の新郎ではありません( ̄▽ ̄;) でも今は、しあわせです💛

最近、あの頃のことをよく思い出すんです。当時仲の良かったあの子が亡くなってからは特に、いつも一番後ろの席だった教室や、犬を隠したロッカールーム、寒い廊下、パンを売っていたボイラー室…。彼女のおかげで古い友人に会う機会もいただきました
数年前、わたしがお世話になった学部が無くなるというので「絶対に行くまい」と思っていた同窓会にも出掛けて行ってみました。緊張したけれど、あの頃と違って、わたしもひとりで出掛けて行くことができるようになりました。先生に「たゆはもともと大人しいのね」と言わせたわたしがですよ!?

あの頃のわたしは本当に心根も曲がっていて、毎日を不貞腐れて過ごしていたので、あの空間、あの時間の中に楽しいことなど「なにひとつない」と思っていたのですが、懐かしい顔ぶれを見ると当時のことが溢れてきて、興奮して喋りまくってる自分がいました
後悔することもそれなりにあるけれど、そんなに悪いことばかりじゃなかったのかもしれないと「大人になったな」と、今ならいってもいいかな? だから、当時の自分に「もっと自信を持ちなさい」といってあげたいわたしです

先生には「めんどうくさい子」だったかもしれないけれど、わたしは先生の授業がわりと好きでした。宿題をまったくやらないわたしだったけれど、本音はとても楽しかったんです。今どき成績順を公表するなんて、なんて皮肉な先生…なんていう子もいましたが、わたしはあれが楽しかった。おかげで上まで行く気になったのですから(´艸`*)

あの頃先生はわたしのやりたいことを認めてくれていました。あれだけは当時も誇らしく、本気で信じていました。そして未だ諦めきれない自分もいるので、この先に期待していただけたら心強いです。わたし、相変わらず「書いてる」んです。先輩たちのように、先生の耳に名前が届くほどにはまだまだだけれど、今のわたしはいちばん自分らしい生き方ができていると思います。だからね、あの頃一緒に夢を語っていた友だちにもいつか会えたらなと思っています。なかなか難しいかもしれないけれど、変わらずに話ができたらいいな…

あの頃は生意気で毎日が「当然」と思い、大切な「なにか」と気づかずに胡坐をかいて過ごしていましたが、今ならよく解ります。どんなに自分が助けられていたのか、どれだけ自分が甘えていたのか、本当に今は感謝しかありません。もし逢えるならそんな話がしたいのです

3年6組 「夢見るうさぎ」より




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