見出し画像

意見を聞く前の準備

何か特定のことに対して詳しく知っていると他人からアドバイスを求められたり、意見を聞かれたりすることはあると思います。誰でも自分の得意なことを聞かれると嬉しいもので、ついつい必要な情報を知る前に喋りすぎてしまう傾向にあります。しかし十分な情報がないと返って自分の意見を伝えることで相手を困惑させたり、害となったりするかもしれません。

専門家とまではいかなくても、身近に食に詳しい人、旅行に詳しい人などはいると思います。

私も海外に住んだ経験もあることから旅行について質問を受けることがあります。「どの国、都市が楽しいですか?」「費用はいくらぐらいですか?」など、このような質問は一般的に多いです。

質問後に相手のことを深く聞く前に私も自分の目的、価値観を基準にアドバイスをした時がありました。
まず旅行先が同じでも目的が違います。私の場合は現地のランナーやチームを訪れることが目的で、地元のランナー達と交流したり、文化を感じることに価値観を置いています。質問してきた相手は現地の食、観光地巡りなどを目的としていました。そうすると掛かる費用も違いますし、滞在期間も旅行で数日間行くのと、現地に住んでいたのでは状況は全く異なります。

そんなの当たり前と思うことですが、意外にも自分がアドバイスする立場で、それが尚更詳しいことなら興奮気味になり聞くことよりも話すことが中心になりがちです。


ランニングについても練習のアドバイスを聞かれることがありますが、最近は必要な情報が揃うまでは返答しないことにしました。

まずは相手の目的の確認。
ハーフマラソン、マラソンで記録更新、完走目標など何に向かって練習をしているのかを知らないことには始まりません。

次に相手のランニングに対する価値観です。
例えば完走といっても、とにかくゴールすればいいという人もいれば、歩かずにゴールしたいという方もいます。ゴールすることに1番の価値を置いているのか、歩かない、止まらないことに価値を置いている人もいます。そこを知るだけで練習のやり方にも変化を持たせる必要があります。
また練習の中でも仲間と走ることにランニングの価値観を見出す人もいるため、練習会などに参加している場合、それらの練習との調和も考慮したアドバイスが必要になります。

そしてリソースです。
少し曖昧ですが、環境も含め使える練習場所、練習に割ける時間、練習パートナーの存在、過去数ヶ月の練習記録など必要な情報を得るようにしています。以前に5000mに向けて練習をしている人から「キレを出すために200m走を行った方がいいと言われましたがどう思いますか?」と聞かれたことがあります。
これだけの情報だと「分からない」というのが正直なところでした。

しかし振り返ると私も同じように僅かな情報量のみを伝えてアドバイスを求めてしまい、相手を困惑させたことがあります。自分がアドバイスやフィードバックを求める時も、求める答えを得たいなら伝えるべき情報を予め用意しておく必要があります。

「分からない」と返答を受けたときに「なんで教えてくれないんだ」と思ったことはありましたが、今思うと相手なりの親切だったのかもしれません。

日常からの学び、ランニング情報を伝えていきたいと思います。次の活動を広げるためにいいなと思った方サポートいただけるとありがたいです。。