見出し画像

鬼滅の刃 1話見た

 デザインワーク、作画、効果などを含めた、画面に映るものに力が込められた仕事ですね。

着物の厚み・作画

 特に気に入ったところは、着物の厚みが線で表現されているところ。何枚も重ね着をし、そして、はんてんが、本当に厚みを帯びている感じが素敵すぎる。ふわっとしている感じですね。デザインとしてそれを着ているキャラクターを描くことは簡単ですが、実際に生地感をアニメーション全編において表現し切るのは、並々ならぬ研究の賜物ではないでしょうか?

 キャラクターのデザインも1話を見る限り丁寧ですし、世界観の背景、小物、登場人物の所作もよく調べられています。実際にあっているかどうかはともかく、世界観を理解する上で、そこで生活する人たちが、どのような生活様式を送っているのかが流してみていても、染み込んで理解できます。
 デザインワークの良さは、原作の作家先生の努力と研究の成果でしょう。これまでるろうに剣心、刀剣乱舞など、和物が流行った時がありましたが、それらを経験した後、自分の好奇心を漫画・コンテンツだけにとどめる事なく、コンテンツの背景にまで幅広く関心を寄せた結果でしょう(違ったらごめんなさいね)。
 歴女など、コンテンツから実際の歴史に興味を広げ調べる女性が取り上げられたこともありますが、それらと同じように、幅広く知識を集めたということです。パッと思いついたネタを広げたのではなく、元々作家先生が、好きだったものを利用して作品を作ったように感じられました。

 デザインを生かす作画も、このアニメの特徴でしょう。Gペンで描いたような線で作画されていますが、それが和の世界と、漫画の世界観を上手く表現できています。
 特殊な線の作画といえば、高畑勲監督が、かぐや姫の物語で鉛筆の線?を残して映画を作った例がありますが、均一な線で作画をしないという選択は、動画において高度な技術を要します(たぶん)。均一な線なら、誰が割っても割れてれば動きますが(中割り)、ペンで描いたような線では、それを動画でも表現しなければならず手間と技術を必要とします(たぶん。想像で書いてます)。
 漫画からアニメーションにする段において、非常に・・・金が掛かってますね。それが、魅力となっていることも事実ですが・・・。

お話

 1話を視聴する限り、特別だとは思いませんでした。1話での作品の魅力は、画面に分があると思います(それだけ画面がよかった!)。

 キャラクターの描き方、世界観、主人公に待ち受けるトラブルと、解決しなければならない問題が20分に程よく収められ、飽きる前に終わります。謎のイケメンも登場し、話に深みがありそうでお手本のような作りですね。
 主人公の人柄の良さ、戦闘シーンにおいて将来強くなりそうな布石、家族とのやり取りから現れるシスコンの布石、どれも1話に必要な要素です。ただこれは原作通りの展開ですから、原作が良かっただけともいえますね

 ちょっと思ったのは、「鬼が人を食う、それを我慢できるか」という設定で、幽遊白書のユウスケの父親を思い出したくらいでしょうか。

あえて欠点をつけるなら

 キャラクターの心の声が多すぎる点が、やや気になりました。さしてどうでも良いところでしょうが、「襲われてる時まで、そんな説明口調で喋ります?」と。人は考える工程をすっ飛ばして、結論を導き出すことができます。いわゆるひらめきと言うものですね。もう少し、視聴者を置いて行くハショリをしても良かったのではないでしょうか。

 原作では気にならなかったところも、映像表現だと鬱陶しくなる場合があります。つまり絵で見せられるのに、説明台詞を入れるという点ですね(それが良いケースもありますが・・・)。

 あえて、欠点ーーというか気になった点としてあげただけで、特に槍玉にあげることもないですね。視聴者にしっかり伝えたいという思いで、敢えて自覚的にやられているのかもしれません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?