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腕力が効くのは18歳まで

 ちょっとした教育関連の集まりで、参加している子供のいざこざがあり、一人の子供泣かされた。泣かされた子供はかわいそうだけど、生物の宿命として、仕方ない部分もある。つまり、弱いと、強いものに駆逐される・・・と言うことです。

悲しいかな、子供社会は腕力がまかり通る

 大人になれば、個人の腕力でなんとかなる事象は減っていきます。格闘技選手やアスリートなどは個人の腕力・体力面で上下が決まります。そうは言っても、管理団体の自分よりも腕力がない老人に蹂躙されたり、コーチにパワハラされたりと、どうにもならないことの方が多いでしょう。

 現代日本において、子供時代は、数少ない腕力がまかり通るフィールドであると考えることができます。それゆえに、子供同士の諍いは、腕力がものを言う場合が多数見られます。もちろん、気の弱い・気が強いことで腕力を凌駕する場合もありますね。ですが、取っ組み合いになれば、腕力が優勢になるでしょう。

 その泣かされた子供も、気が弱いところがあり、ほんの僅かな腕力の差しかないにもかかわらず、やり返すことはできませんでした。気持ちが強い子供なら、やり返していたでしょうね。
 やり返すことが正しいとは思いませんが、今しか、自分の気持ちを発する機会がないのに、もったいないとは思いました。

 そんな子も、自分より小さい子には強気になれるから、不思議なものです。不思議と思って、はて?と。自分よりも弱いものに強くあたるのは、自然なことです。泣かされた子が、自分よりも弱いものに強くあたるのは、これは仕方ないことです。知性よりも、本能が優っている子供は、対立関係を腕力で解決する手段しか持ち得ないのです。

頭脳

 全ての問題を、腕力で解決するのかというと、そんなことはありません。幼児期においても、大人が仲介することで、諍いの解決を腕力ではなく、会話で行うことができます(裏を返せば、大人が介入しないと、腕力が影響する確率が高いのですが・・・)。子供同士でも、会話=論理を利用することで、諍いを解決できることをみると、論理=知恵をつける方が、トータルでは得であることがわかります。

 大人の諍いは、基本的には腕力を介入させません(当たり前)。言語による対決(裁判)。パワハラに見られる権力による圧政がほとんどでしょう。権力は、腕力で獲得するものではなく、頭脳を利用することで手に入れることができます。例えば、戦術・戦略を立てる頭脳、ものの良し悪しを図るセンス(脳の影響)、アイデアを閃く頭脳など、頭を出発点にして成功と権力(錯覚資産も含めて)を得ることでしょう。

 子供時代などせいぜい18歳(大学生も私からみると子供ではあるが)。その間にいくら腕力を鍛えても、社会の波をやすやす渡る力を得ることは得られないでしょう。格闘選手、アスリートでご飯を食べて行くことが稀有な存在のように、サラリーマンで稼ぐよりも、アスリートで稼ぐことの方がハードルが高いです。そしてサラリーマンの数が表す通り、多少の頭脳を持っていれば、食っていくことは容易です。アスリートのように、類稀な肉体を持っていなければ食っていけないのとは違い、ほんの僅かな、日常的にやっていける知恵・頭脳だけで良いのです(エリートになるなら、それだけでは足りませんけどね)。

 泣かされた子供は、確かに、今の時期辛いです。標的にされやすい場合がある。しかし、それは大人が介入できる場所ではなんとかなるのですから、挫けずに、頭脳を鍛える方に集中を向けてもらいたいものです。
 その子供は、やり返すなど、暴力に訴えませんでした。その気の弱さは、ある意味大切なものかもしれませんね。

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