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知らないままでも時間は過ぎる

 大学3年になるまで一人で映画館に行ったことがなかったのだが、大学の授業が昼過ぎに終わった日の帰りに一人で映画を観に行くことにした。
 その頃は「名探偵ピカチュウ」「貞子」この2作品を観たいと思っていたため、その日に一気に2つ観ることにした。 上映時間が被っていないところをネットで探すと、行ける範囲内では新宿の歌舞伎町にある映画館で、「名探偵ピカチュウ」は3D上映「貞子」は4D上映を選択すれば、2作品とも観られるようだった。
 普段は映画館に行ったら飲み物とポップコーンを買って楽しむのだが、4Dというと椅子が動いたり揺れたりするので、飲食物は買えないことに気づいた。しかし先に3Dの方を見てその後に4Dを見る、という順番だったので、飲み物のMサイズぐらいなら最初の2時間で飲みきれるだろうと思い、飲み物だけ買って行くことにした。
 入場時間になりゲートまで行くと、3Dメガネがないことに気づいた。どこでもらえるの かわからず館内をウロウロしていると時間がなくなってきて、結局わからないままゲートを通ることにした。スクリーンの入り口まで行くと、係員の人が立っていてチケットを見せるように促され、確認されると3Dメガネを渡された。

 (そういうのはどっかに書いといてよ)と思った。知ってればあんなに館内をウロウロしないのだから。
 少しイラっとしたが、映画が始まるとやはり3Dというのはすごい迫力で、特にバトルシーンはすごい躍動感で、「名探偵ピカチュウ」という作品との相性も良く、かなり楽しむことができた。
 結局楽しみすぎてほとんど飲み物を飲まないまま一つ目の映画が終わり、次の4Dの映画の時間を迎えてしまった。炭酸を慌てて一気に飲み、げっぷをこらえながら席に向かい 「うぇ」となっていると、2つ後ろの席の人は普通にポップコーンと飲み物を持って座っていた。

 結局経験しないとわからないことだらけだなと感じた。

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