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世界は4大文明でできている 読了

世界の人口のほとんどは、グローバルスタンダードになりうるキリスト教、イスラム教、ヒンドゥー教、儒教の各社会でカバーされている。この4大宗教をベースにした価値観を持つ4つの文明を学ぶ事で、グローバルなコミュニケーションが外国人とできるという内容。

橋爪大三郎氏は、専門的なことを簡潔に説明することに関しては本当に天才的だなあと思います。

彼の共著の「不思議なキリスト教」「ゆかいな仏教」を更に簡潔に説明しているので、さらっとした4大宗教論としても読める。

この内容に興味があれば、上記の2冊を読むと更に知識が深まります。

本書には、更に4大文明を踏まえた日本論も簡潔に説明があります。

中でも神仏の関係を本地垂迹説に基づいて理論化し、明治維新の廃仏毀釈で切り離したという、日本独自の考え方も紹介しています。

結局、人間社会が機能するためには何らかの共通の価値基準を置き、その基準に基づいてその社会や組織を作っていくことが必要。

これもユヴァル・ノア・ハラリ氏の「ホモ・サピエンス全史」のいう「認知革命」という7万年前に生じた「共通の虚構を信じる」という発明をしたため。

共通の虚構とは、ここでの場合は宗教のことであり、宗教をグローバルな展開が可能なものに組み替えていくことで、グローバルスタンダードになったのがこの4つの宗教ということだ。

したがって、世界中のほとんどの人たちが、この4つの大きな価値観のどれかに基づいて自分の世界像を構成しており、その世界像を意識しながら、我々日本人は外国人とお付き合いする必要があるし、そうしないと何事もうまくいきませんよと言うこと。

このような意味と価値の世界は、自然科学の捉え方では説明がなかなか難しく、哲学や社会学・歴史学などの人文系の学問でないとなかなか理解は難しい。

*写真:アラブ首長国連邦 アブダビ シェイク ザィード グランド モスク

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