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生物に世界はどう見えるか「大腸菌」編

引き続き「生物に世界はどう見えるか」より、今回は大腸菌。

■大腸菌とは

大腸菌は細菌の一種(ウイルスではない)。ゾウリムシとも異なり、細胞に核を持たない原核単細胞生物。ちなみに我々哺乳類は、核を持つ真核細胞の集合体=多細胞生物。

大腸菌は無性生殖なので、同じ遺伝子を持つクローンを量産することによって繁殖します(たまに突然変異ができる場合もあるらしい)。大腸菌は「細胞分裂機械」とも呼ばれ、条件が整えば20分に1回分裂して増殖。

なので、よく実験に使われるのかもしれません。

ちなみに「抗生物質」は、細菌の機能を阻害して細菌そのものを殺したり、細菌の増殖を阻害する物質なので、風邪や新型コロナなどのウイルスには効きません(当たり前ですが)。

お医者さんが風邪の人に抗生物質を処方する場合がありますが、たぶん偽薬(プラセボ)として処方することで、患者を安心させたいからではないかと思います。プラセボの効果は馬鹿にできず、実際にプラセボ服用によって病気が治る人は多いらしいですから(以下、プラセボをプラシーボと表現)。

■大腸菌の善悪=快不快

大腸菌が感じている善悪、つまり快と不快の構造は、「匂い」「温熱」などの信号を細胞の表面にあるタンパク質の受容器(計3400個で4−5種類ぐらいある)で感知し、「接近するか」「逃避するか」行動。運動器官は細胞膜にある鞭毛。

*大腸菌の「生き物フロー」
 捕食   :匂い(化学信号)を受容器で感知し「接近」
       栄養物の匂いを感知してデタラメに転がりながら栄養物に近づき、
                         体表から浸透させて細胞の中に取り込む
 危険回避  :酸性アルカリを受容器で感知し「逃避」→大腸菌が住めないPh環境
 危険回避   :温熱を信号  を受容器で感知し「逃避」→大腸菌が住めない温度
 危険回避  :乾燥の感知、長期間の栄養物の化学信号の感知が無い場合、休眠。

こうやってみると、人間も大腸菌も大枠の構造は同じ。人間は

「見たいものだけ見る」  →接近
「見たくないものは見ない」→逃避

もちろん、「接近」と「逃避」に至る人間の情動は大腸菌と違って複雑ではありますが。。。

*写真:千葉市の市花、大賀ハス(千葉市 生実池)2016年7月撮影


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