見出し画像

コンゴの悲劇①

まず、整理しておきたいのが、コンゴという国は 2 つ存在する。1 つは、コンゴ民主共和国、もう一つはコンゴ共和国だ。今回は、その中でも、かつてベルギー領であったコンゴ民主共和国について述べていきます。

コンゴ民主共和国

・国の基本情報
国名:コンゴ民主共和国
首都:キンシャサ
人口:8679万人
民族:200 以上あって、
   その多くがバントゥー系
言語:公用語はフランス語、スワヒリ語、リンガラ語、チルバ語、キコンゴ語などを使用

宗教:キリスト教80%、イスラム教10%、その他10%

政治体制:共和制
元首:フェリックス・アントワン・チセケディ・チロンボ大統領

※外務省のホームページより

2つのコンゴ

冒頭でも述べたが、コンゴという国は2つ存在する。地図で見ると隣国同士にもなっている。

画像1

画像2

コンゴ民主共和国で起きたこと


Q コンゴ民主共和国で、何があったのか?
→ベルギー国王レオポルド 2 世による私有化(植民地)、大量虐殺、コンゴ内戦(現在も続いている)


・コンゴ内戦は、時代が異なるため、今後の歴史を踏まえながら後ほど説明していくこととする。

歴史

元々、コンゴという国は、同じ国だった。それが、植民地時代になると 2 分割され、片方は、ベルギー領、もう一つのほうは、フランス領へと分断された。これを身近に例えるならば、日本から近い朝鮮半島であろう。


植民地時代のコンゴ民主共和国 
・植民地時代のコンゴ民主共和国は、ベルギー領
→なぜか?
1885 年のベルリン会議でアフリカ分割に関する条項が定められ、その結果、ベルギー領が承認。その時は、コンゴ民主共和国ではなく、コンゴ自由国だった。ベルギー国王 レオポルド2世による現地民への残虐な強制労働、終いには虐殺が行なわれた。

画像3

レオポルド2世

・1835~1909 年 ベルギーの国王
・第 2 代ベルギー国王(在位1865~1909)

・なぜ、このような虐殺や強制労働が起きてしまったのか?
→植民地時代のヨーロッパは、アジアに積極的に進出し、植民地をしていた。そうしたヨーロッパ周辺国の動きを気にしたベルギー国王は、中央アフリカ地域にあるコンゴ自由国に目をつけた。国王自らの財力をもってコンゴ自由国を私有地化した。その理由は、コンゴ自由国には、鉱物資源が豊富であったからだ。さらには、産業革命による技術進歩でゴムの需要が高まり、現地民に過酷な労働をさせ、労働が不器用なものなどは、虐殺した。


当然、国際社会からの批判もあった。もちろん、この行為は、国王のみが望んでいたものであり、ベルギー国内の議員や国際社会からは大批判が為された。

1909 年、コンゴ自由国からベルギー領コンゴとして名称変更がされた。

画像4

こうした流れのなか、コンゴ民主共和国の隣国ルワンダでは、20世紀の最大の悲劇とも言われているルワンダ内戦が勃発。

※ルワンダ内戦に関しては別の記事で取り上げています。

ルワンダ内戦についてはコチラ⬇️

 ルワンダ内戦以降のコンゴ

  
このルワンダ内戦によって、多数の難民や武力勢力が東ザイールに滞在した。また、ルワンダやウガンダなどの周辺国が侵攻してきたことにより、1997 年、こうした侵攻でモブツ政権が崩壊した。

画像5

            モブツ大統領

ローラン・カビラが大統領就任後、現在の国名であるコンゴ民主共和国へと国名変更した。これに怒ったルワンダが、反政府組織を連れ込み、ウガンダなどの周辺国と共にコンゴへ侵攻。これをアフリカの第一次世界大戦とも言われる。

画像6

ローランカビラ大統領

後に暗殺され、後継者に、息子のジョセフ・カビラが就任した。

2003 年に 和平合意を締結したが、未だに紛争は続いている状態ではある。

このコンゴ紛争、トータルで約600万人が犠牲者であるが、第二次世界大戦後の世界各地での紛争の中で、実は、コンゴ民主共和国の紛争が世界最大。


パレスチナ→ データなし
シリア →約37万人
イラク →約50万人
韓国・北朝鮮→約400万人
ボスニア →約10万人

コンゴ民主共和国の課題


こうしたコンゴ民主共和国には、様々な問題が存在する。
例えば、天然資源や鉱物資源が豊富なのに、外資や政治家により、半分以上を搾取されているといった報道が海外メディアでは取り上げられるが、こうしたニュースは日本では、あまり報道されない。


紛争鉱物 
現在、私たちが日常的に利用しているスマートフォーン。そのスマートフォーンに搭載されている希少金属、すなわちレアメタルでお馴染みである金などの天然鉱物。実は、このレアメタルが原因でコンゴ民主共和国では、犠牲者を出してしまっているのも事実。


→どういうことか?
近年、世界的に需要価値が高まっているレアメタル。しかし、レアメタルの需要が高まれば高まるほど、コンゴの鉱山を支配している武装勢力に資金が入り、それが紛争長期化に繋がっている原因の一つであるともされている。だいたい1カ月6000万円ほど。


僕らが便利に使っているスマホは犠牲の上に成り立っていると言っても過言ではない。

Q・僕らが、生活のレベルを下げずに紛争鉱物の問題解決のためにできることは?


①・スマホメーカーにエシカル製品を求める
エシカル・・倫理的
自分の持っているスマホの製品や部品など、CSR(企業の倫理的責任)に関する方針で、気になったことに対して問い合わせるなど、気軽にしてみるとよいだろう。


②今、使っているスマホを少しでも長く使う
・様々なスマホが、日々、発売されるが、本当に必要かを自問自答してみる。


③使用済みスマホをリサイクルする

・都市鉱山のように使用済みスマホなどの眠っているスマホを、日本中から全て回収したら、金の埋蔵量全体の16%を占めている。

こうした取り組みをしていくのは非常に重要である。

かなり長文になってしまったため、続きは『コンゴの悲劇②』を閲覧ください。

最後まで読んで頂き有難う御座いました。

#コンゴの悲劇

#アフリカ

#紛争

#国際協力

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?