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samuraiguan
2019年7月13日 14:46
猫を拾った アパートの正面入口に差し掛かる塀の隅に、ひっそりと置かれた箱。そこにそいつは入って小さくなっていた。 何かの間違いか、はたまたどっきりかと思い辺りを見回したが、人の気配はない。この時間だ、大抵の人は眠っている。 昼間の暑さの名残りが地面から立ち昇り、湿気も手伝って俺の首筋に張り付く汗がじっとりと不快指数を上げる。 声をかけてみたものの、猫は俯いたままだった。 死んで