言葉にする瞬発力、思考の持久力

早い人と遅い人がいる。早い人は聞かれたことに瞬時に答えられる。言葉の選択も的確だ。慣れやトレーニングで早くなるのだろうが、それ以上に才能なんじゃないかと思う。早い人と遅い人は、早さ以外に違いはないように思う。早い人が瞬間で繰り出すワード、ラッパーのような、すごいなと思うが、遅い人と比べて語彙力が優れているとか、知識や教養が優っているわけではないだろう。ただ、早いのだ。

わたしは遅い人だ。遅い人は書くことに向いていると思う。遅い自覚があるから、スピードで勝負できないから、瞬時に言葉が出てこなくて悔しい思いをしたことがあるから、書くことができる。目を瞑り、寝ようとしても、日中の会話が繰り返される。布団の中でなら雄弁に、あいつに言い返すことができる、あいつの矛盾や論理の破綻を指摘することができる。朝まで考え続ける持久力を持っている。

早い人も書けるだろう。だが早いひとは喋った方が早いのだ。書けるとしても書く理由がない。早い人は書かない。だから、相対的に、遅い人は書くことに向いている。選択肢がないのだ。喋ることができ、書くこともできる早い人は、書くことに執着しなくてよい。遅い人は書くしかない。焦らず、ゆっくり、おちつけ。

今日も、最後まで読んでいただきありがとうございます。苦手を克服する努力はコスパが悪いけど、まったく嫌いじゃないです。

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