一夜漬けのベーシスト

先日人生で初となる人前でのベース演奏をした
Saucy Dogのシンデレラボーイというヒット曲を。
バンドメンバーは高校生
そんな１日の話

先週の日曜日2023/2/12に東村山市立中央公民館で催された
多摩六都ヤングライブフェスティバルというイベントのお手伝いに行ってきた。
人前での演奏がはじめての子たちが多くアンプをはじめとする機材の使い方も
おぼつかない中高生が中心のイベントということで
音作りや準備のお手伝いにお声がけいただいた。

私は前日のリハーサルから参加。
20組のバンドが1~2曲演奏し入れ替わり立ち替わり。
合計20組のバンドが参加する予定であった。

ステージ上でギターが断線したり
メンバーがリハーサルに参加できなかったり
演奏するはずのメンバーが当日も来るか危うかったり
イントロから先に進めなかったり
とにかくパンクにラウドにやりたい初期衝動だったり

いろんなトラブルや情熱や衝動が
まさに10代をそのまま切り取ったようなリハーサルだった。

そう
"演奏するはずのメンバーが当日も来るか危うかったり"
前述のこれがSaucy Dog/シンデレラボーイ
どうやらドラムもベースも当日が危うかった。
まだ18歳の新たな基準の成人にも満たない女の子たちが不安そうに。

明日はドラム補佐の本職ドラマーが来る
わかりました！ひと肌脱ぎましょう

家路に帰る間イヤホンには延々と
"午前12時をまわって"
のフレーズがリピート&リピート。
帰宅してすぐにコピー。

「意外とフレーズが複雑だな…」

譜面を見ながらより覚えたほうが確実だ…

午前3時

 天体観測の時刻より１時間遅くまで覚えた。
よく頑張ったぞ自分。

東村山の中学校のギター部の子達から演奏がはじまる。
緊張しきった顔や自信に満ち溢れた子。
前日のリハーサルでソロやリフの時にエフェクターを踏もうと指導の先生たちに
急に言われて不安そうだった子も堂々とした演奏だった。

自分の初めて組んだバンド"コラーゲン"のライブもこんな感じだったなぁとなんだか嬉しくなる。同じような市民会館だったなぁ。

ティーンたちはどんな曲をやるのかなと楽しみだった。
"Mrs.GREEN APPLE""ヨルシカ""マカロニえんぴつ"Ado"
これらが特に選出されていた。なるほど。
Adoはバンドキッズにも受けているのか!!

不安そうに機材を準備し、でも頑張って1曲をやり遂げようとする子
やってやるぞと自信に満ち溢れた子
クールだけどやたら上手な子
我々の時代にタイムスリップしたような青春パンクBOYS&GIRL
ちょっと気だるそうだけど胸が熱くなる歌を届ける少年たち
この日の誰より自分たちはかっこいいだろ？と観衆に音圧を投げかける少年少女


18組目
ドラムの子は奇跡的にも到着していた。
うちの本職ドラマーはちょっと残念そうではあったけれど
「メンバーとやるのが一番だ」とそう言った。
でもベースの子は来なかった。
ということで私はシンデレラボーイを奏でたのであった。

すぐに次の準備だったから彼女たちと話はできなかったけれど
"ありがとうございました!!"
リハーサルや演奏前は不安そうだったギターの2人が晴れやかな笑顔で挨拶してくれたのはとても嬉しかった。
いつか彼女たちが大人になってこの日を思い出してくれたらこんな嬉しいことはない。
私のことなんて思い出さなくていい。
メンバーでステージに立てて演奏したこと。こんな最高の思い出がたいせつになることを願う。

自分の理想がある子、これから見つける子
きちんと挨拶ができる子、できない子
不安そうな子、自信のある子

コロナのせいできっと色々できないことがあったよね。
ライブ中もボーカルすらまだマスクをしていた子もいた。
大人はこれをかわいそうと思ってしまうけれど
彼らはかわいそうなんかじゃないと思ってあげなきゃな。
頑張ったこと、過ごした日々は
かわいそうじゃないもんね。

そういえば私の時代より明らかに女の子のメンバーが多かった。
昨日の比率的には6:4で女の子の参加だったと思う。
ここは東京だからかな？それだけじゃないだろうな。
時代は変わってきている。
男女比率とか男女混合とかそういうの考えることすらいらない時代にどんどんなったら
それこそ音楽のあるべき姿なのではないだろうか？

いろんなものをもらった二日間だった。
思い出すこともあったけれど
それより新たにもらったものの方が多かった。

彼女たちとは一生出会うことはないかもしれないけれど
いつか再会した時はこの日の話をしたいなと思う。

みなさんお疲れ様でした。

忘れられない思い出になりますように。