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第3話 卒論そっちのけ!コンペ決勝への道!!


いえーーーーーーーーい!(大声)しゅんDです!!


本日も、GSセンターができるまでの歴史を紐解く『GSセンターができるまで!』の第三弾をお届けします。今回は、「卒論そっちのけで、徹夜もした気がする...。」とメンバーが語る、具体的に提案内容を詰めてコンペを勝ち上がっていく過程です。続きなので、初見の人は第二話から読んでネ!



2014年10月20日 一次予選にエントリー

一次予選は、学生によるオープン投票でした。こちらは、学生に投票を呼び掛けるべく作成したポスター。メンバーのフェイスブックに投稿して知り合いに投票を呼び掛けたり、学内に掲示したりして、二次予選進出を目指した。

2014.11.18-早稲田VISIONフライヤー

Gさん「多くの人に投票してもらうために、画策しました!」

投票を呼び掛けるポスターをFacebookに投稿すると友人から「なんで支援する必要があるのか?」というコメントをもらったこともあったという。ただコンペ全体を通して、思い当たる否定的なコメントはその件のみであとは学生からも審査員からも否定したり拒絶したりするようなコメントはなかった。

Iさん「否定的っていうか、、当時はこのテーマに関心を持っている人が少なかったんだと思う」と一言。確かに、話の端々から伝わってくる当時の早稲田の様子は「LGBTって本当にいるの?」という風にセクシュアル・マイノリティ学生の存在そのものが多くの人には知られていないので、否定も何もそもそも知らないといった感じだ。

Nさんも「一番意識したことは、審査員に、『早稲田大学には困っているLGBTの学生がいる』ということを体感として理解してもらうことだった」と語る。この目標を達成するために、提案内容には様々な工夫を凝らした。


ホワイトボードに「退役軍人」

提案内容をまとめるにあたり、メンバー内で意見が割れたのは「LGBTセンター」にするか「ダイバーシティセンター」にするかだった。

Nさん「LGBT学生センターか、ダイバーシティセンターにするか割れたよね。最終ゴールとしては障がい者、LGBT、ワーキングマザーとか多国籍の学生とか様々なダイバーシティに対応するセンターにして広く支持を集めようとしてたけど、中盤になって『ほんとに自分達だから訴えられることってなんだっけ、ほんとにやりたいことってなんだっけ』って考えてLGBT学生センターという提案にまとまった」

Iさん「そうね、『ダイバーシティセンター』として様々なマイノリティをターゲットにするというのが第1案だった。マイノリティ性って単一のものじゃないはずだし、個人的には結構こだわったけど。LGBTにしぼったのは戦略的な理由だったと思う」

インターセクショナリティを視野に入れ、「LGBT学生センター」という形で提案することにためらいもあったが、焦点をしぼり、自分たちが一番伝えたく効果的に提案できる「LGBT学生センター」にまとめあげたという経緯があったので、現在の早稲田大学の「スチューデントダイバーシティセンター」という包括的に学生を支援できる枠組みになっていて嬉しいという。

Mさん「打ち合わせの初日に会議室に行ったらさ、『退役軍人』って書いてあったのすごい覚えてる笑。アメリカでは退役軍人を取り巻く問題が可視化されていて、その影響だよねきっと」

Nさん「マイノリティの話といえば退役軍人は外せないでしょ~」

このエピソードが何よりも、当初は様々なマイノリティ性を視野に入れたセンターを作りたかったんだな、というのが伝わってきたので挿入させていただく。確かに、私ならホワイトボードに「退役軍人」って書いてあったらずっと覚えているかもしれない.....。


他にメンバー間でよく話し合った点はセンターの名前だという。

Gさん「センター名を『LGBT学生センター』『クィア学生センター』にするかなどの名称問題があった記憶が...。基本的には優しさMAXで言葉に敏感なメンバーなので、名称で傷つく人がいないように話しあったと思う」

コンペ優勝後、実際にセンターの名前を決める会議でも、「名称で傷つく人がいないように」は重要な議題となる。その時のことは、後日!!!後日書いて公開します!!(あと3話くらい先です)



「居場所の必要性は数では測れないと思うけど、実行に移すための根拠として数字は大事……」

説得的な提案をするため、戦略も練った。一番伝えたかったことは「早稲田大学にセクシュアル・マイノリティ学生がいること」それを審査員に理解してもらうべく、数字でわかりやすく示すために学内アンケートを実施した。その背景には「『思いだけではなく、実行性』『理屈だけではなく生の声』といった先輩アクティビストのアドバイスをもらったことが大きい」とGさん。

Iさん「居場所の必要性は数では測れないと思うけど、実行に移すための根拠として数字は大事……とアンケートを取った。それがなかなか見えにくいマイノリティの可視化につながって、結果的に功を奏したと思ってる。」

人数の多い少ないは問題ではないでしょ!と思いつつ、戦略的にアンケートを取り、数字で示すことを選んだ。実際のパワーポイントにはアンケートを基にした数字と表がわかりやすく示されている。

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他にも、大学の経営層に響くような表現を意識的に使用するようにした。

Mさん「LGBT学生センターがもたらす大学にとってのメリットをしっかりと示すように心がけたかな。例えば『世界大学ランキングTOP10の大学は全てLGBT支援を実施しているが、日本国内ではまだ少数派、だから早稲田が多様性のリーディングユニバーシティになりましょう!』とか」



そんなこんなで工夫を凝らしたダイバーシティ早稲田の提案は、二次予選を通過、決勝進出を決める。徹夜もしたというメンバーの頑張りだけでなく、これまでの活動で出会った他の大学の人たちの「早稲田でうまくいけばうちの大学も変わるかもしれない」という切実な思いと応援、学内のさまざまな方たちの協力によってたどり着いた決勝だった。ジェンダー関係の授業では、冒頭に時間をもらい、その講義を受けている学生に投票を呼び掛ける「草の根運動」を展開した。一次予選のみならず、二次予選も学生の投票によるものだったので、学生たちの応援が追い風になった。

なおこの徹夜では全然頭は回らず「徹夜は無意味だと知った......」(Nさん)とのこと(笑) ちなみに今回のタイトルになっている「卒論そっちのけ」はMさんの発言である。


ダイバーシティ早稲田が決勝進出を決めたので今日はここまで!!(ええーーーッ)(大げさな効果音)

次回ッ!!「戦略と感動の決勝プレゼンテーション」絶対見てくれよナ☆

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【GSセンターの歴史】シリーズ
第一話 しゅんDの初日
第二話 「LGBTセンターを作ろう!」になるまで。
第三話「卒論そっちのけ!コンペ決勝への道!!」
第四話「いざ勝負!コンペ決勝」