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【開催報告】「マッチングアプリについて語ろう!」(2022/07/28)

皆さんこんにちは!学生スタッフのルーです。

今回は7/28(木)に開催した、参加者の皆さんとマッチングアプリに関する現象について話し合うイベント「マッチングアプリについて語ろう!」の開催報告をお届けします!


1.イベント概要

スマホの普及によって、出会いを求める便利なツールとしてマッチングアプリは流行ってきました。恋人募集や友達作りなど、人々はそれぞれ違う目的を持ってアプリを利用しています。特に他の「仲間」と出会うことがなかなか難しい環境にいることも多いLGBTQ+の人にとって、マッチングアプリは人間関係を築く重要な手段の一つです。しかし、アプリを利用した詐欺やセクシュアルハラスメントなど、マッチングアプリに関わる問題も少なくありません。

今回のイベントでは、GSセンターの学生スタッフと参加者の皆さんが一緒にこのような現象について考えながらマッチングアプリについて話し合いました。

2.イベントコンテンツ

①小レクチャー1:マッチングアプリの現状について

今回のイベントではマッチングアプリを使用したことのある方と、使用したことがないけれどマッチングアプリに興味を持って参加してくれた方の両方が集まってくれました。マッチングアプリに関する知識の差がディスカッションに差し障らないように、イベントの二つのディスカッションタイムに入る前に、それぞれ学生スタッフからのマッチングアプリに関する小レクチャーを設けました。

まず、マッチングアプリの現状に関する説明として、最初の小レクチャーでマッチングアプリの種類について紹介しました。LGBTQ+向けのマッチングアプリについて話し合う場を提供することがイベントの主旨となっていますが、LGBTQ+向けのアプリ以外の「シスヘテロ寄り」のアプリも紹介しました。それは、アプリの会社それぞれターゲット対象を設けていますが、実際使用しているユーザーのジェンダーとセクシュアリティはそのアプリの会社が設定したターゲットと一致しているとは限らないからです。それから、日本のアプリだけではなく、海外(主に中国)のアプリも簡単に説明してみました。

次に、マッチングアプリがLGBTQ+の人にとっての意味・メリットと問題点についても参加者の皆さんに紹介してみました。


②マッチングアプリに関する感想と経験の共有

小レクチャー1の後、参加者の皆さんをグループに分けてディスカッションタイムに入りました。一つ目のディスカッションタイムでは、皆さんのマッチングアプリに関する感想と経験を自由に話し合って共有していただきました。

まず、「マッチングアプリの情報をどこから知ったのか」について、色々聞かせていただきましたが、面白いことに多くの参加者の方はYouTubeでマッチングアプリの広告を見かけたことがアプリを知ったきっかけだったらしいです。他には、アプリを使っている友達から情報を得られたり、SNSで調べたりしていることもやり方の一つです。

それから、今回のイベントではマッチングアプリを使ったことのある方も、使ったことのない方も参加してくれていましたが、使ったことのない方から「使うまでちょっと怖い気持ち」という意見を頂きました。会ったことのない人とマッチングすることを怖く感じたり、相手が求めている関係性がよく分からないから困ったりする可能性を心配してなかなか使えない、ということでした。


③小レクチャー2:マッチングアプリに関わる現象について

ディスカッションタイム1が終わった後に、マッチングアプリに関わる現象についていくつか紹介してみました。まず、学生スタッフのルーがTRP2022に参加して気づいたTRPに出展したマッチングアプリのブースについて説明しました。2022年4月22日から24日までのTRPの三日間に出展していたマッチングアプリはいくつかありましたが、それらのアプリの大半はゲイ向けのもののようでした。

それから、ゲイ・バイ男性向けアプリとレズビアン・バイ女性向けアプリのプロフィール欄の記入項目の違いについても紹介してみました。レズビアン・バイ女性向けアプリの方ではジェンダーアイデンティティーと性的指向まで記入できますが、ゲイ・バイ男性向けアプリの方ではそうなっていないことが多いのです。

あるレズビアン・バイ女性向けアプリのプロフィール項目
あるゲイ・バイセクシュアル男性向けアプリのプロフィール項目


④「望ましい」マッチングアプリについて


小レクチャー2で紹介した内容に踏まえて、参加者の皆さんとまたそれぞれのグループでディスカッションして、マッチングアプリに関わる現象に対する感想を聞かせていただきながら「望ましい」マッチングアプリの姿を考えました。

小レクチャーで紹介したこと以外に、参加者の皆さんからLGBTQ+の人の中でもビジネス場面では購買能力をより持っている「男性」の方がより注目されることが指摘されました。さらに、LGBTQ+コミュニティの内部にも、ある種格差のようなものが存在するのではないか、という声が参加者同士の話し合いで出ていました。それから、TRPに出展するレズビアン・バイ女性向けのアプリがなかったことは、日本のレズビアン・バイ女性向けアプリの多くは海外の会社が作ったものであることと関わっているのではないかというご意見もいただきました。

「望ましい」マッチングアプリについても、皆さんから色々聞かせて頂きました。共通している意見として、「安全性が保たれるアプリ」が強く求められています。マッチングアプリを使用した時にロマンス詐欺に遭遇してしまったり、もしくはアプリの「近くの人」の機能で自分の位置情報がバレてしまいアウティングまで至ってしまったりする問題は今現在残っています。安心・安全にマッチングアプリを使うために、やはりセキュリティ対策が重要であるというのが多くの参加者の皆さんの意見でした。


3.学スタ後記・感想

当日参加してくださった皆さん、そしてここまで読んでくださった皆さん、ありがとうございました!今回のマッチングアプリに関するイベントのアイディアは去年の秋からずっと持っていました。科学技術の発展によって人々と繋がる機会を増やせる素敵なものになっているはずなのに、自分がマッチングアプリを使用した時にしばしば不快な思いをしてしまったことがあります。このようなモヤモヤをどう解消すべきか、そしてマッチングアプリに関わっている多くの現象についてどう捉えるべきかについて前々から考えてきました。このようなディスカッションをできる場を作るために、今回のイベントを企画しました。

もちろん、このイベントを通して「マッチングアプリはやはり使ってはいけないものだ」「マッチングアプリは怖い」とか、もしくは逆の「マッチングアプリを使いましょう」のようなメッセージを伝えようとするつもりはまったくありません!皆さんそれぞれ人間関係を築く方法が異なるし、マッチングアプリでそれを実現するのも多くのやり方の中の一つにすぎません。ただ、「もし使いたかったらこのようなことも起こり得るから注意しておきましょう」とか、「こういう使い方だとコミュニケーションがスムーズに進めますよ」といような情報をこのイベントを通して皆さんにお伝えしたいと思い、開催しました。改めて、ありがとうございました!