見出し画像

都会

大田舎に生を受けた私は、都会が苦手である。
人混みの歩くペースが早くて怖い。エスカレーターも、田舎のロウスピードなゆったりしたものより早くて、常になにかに急かされているような気がするのだ。満員電車も苦手だ。そもそも情報量が多い。

お金が尽きている私は、今日もスーパーで半額だった冷凍のペペロンチーノを啜っている。こんな生活でも煙草は辞められないので、依存性であることは間違いない。早死待ったナシの状態ではあるが、やらなければならないことが多すぎる日々に忙殺されているので、今ポックリ逝くわけにはいかない。

東京に出る金も無かった私はオンライン授業を散らかった部屋で受けながら、この日々について考えている。入学金その他諸々を払った癖に客観的にしか見ていないのは実に勿体ないと感じてはいる。

孤独は自分を駄目にするのだ。

この9帖の子ども部屋で日々を過したくない。同期と馬鹿騒ぎして、お酒を飲んで、ゲラゲラ笑っていたい。

何にしろ、それらはお金が無いと実現しない訳で、相方に立て替えてもらったカラオケ代を返すところからスタートしなければならない。心底クズ極まりないな。

都会の喧騒は大嫌いである癖に、居酒屋で騒ぐのは好きなのだ。特に同期は、会話のテンポがとても気持ちがいい。自分が自分であると容認される場所だと感じる。弄られることで、自分がどういうキャラで、どのように見られているのか、自認と他認の違いを改めて感じさせられる。

楽しい日々を思い描きながら、部屋に引き篭っている。

受動的ではなく能動的に、楽しい人生をつかみ取りたい。

…たくさん働こう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?