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青春を過ごした私へ

高校時代の同窓会が先日あった。楽しく遊んでる人間として見られたいちっぽけな人間の私は、ド金髪にしていった。知らない人ばっかりで浮いたけど。

喫煙所で知らん人と仲良くなった。理数のコースなど含め9クラスあったので、知らない人は沢山だったのだが、酒が入ればコミュニケーションで何とかなるのが私である。口から生まれたような人間で良かったとそこだけは感謝した。

結果4次会まで居てバイトをすっぽかした。グループで怒られ個チャでも怒られ…飛ぶことを即刻決意した(出勤数6日) ちなみに無断欠勤では無いことを主張したい。

高3、あの夏に好きだった奴とも会った。ああ、なんて青春なのだろう。大手に就職が決まっている彼はキラキラ輝いていた。燻ったアマチュア芸人フリーターとは人種が違うのだ。ただあの頃と変わらず優しかった。分け隔てなく。それが一番羨ましかった。

私は看護師になっていたはずだった。皆と違う世界に住んでいるようで、落ち込んだ。それはもう本当に落ち込んだ。二日酔いすらないほどに。

英語が出来なくて、私が考えた文章を音読してこっちを見て笑ってた目も、私が受験を合格して真っ先にハイタッチしてくれたことも、誕生日に焦って遅刻ギリギリで買ってきてくれたコンビニのチョコも、なんだか全部覚えている。女は恋をすると記憶力が上がると聞いたことがあるがそれなのか。酔っ払って寝ていた私に上着をかけてくれるような彼の優しさが、それらの思い出を走馬灯のように見せてきた。

何気なく撮ったツーショットは、面影を残したまま、彼の明るい未来と私の馬鹿みたいに明るい脱色した髪を写していた。

きっと彼の彼女は、暗い髪の、ロングヘアの、可憐な女の子なのだろう。私はどんな人かなんて、聞けたことがない。ちっぽけな人間だから。

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