大雪なものがたり -by Grulito-

大雪山の麓に住む、撮り聴き書くユニットGrulitoです。 まわりみちをしてぐるりと人…

大雪なものがたり -by Grulito-

大雪山の麓に住む、撮り聴き書くユニットGrulitoです。 まわりみちをしてぐるりと人生が変わり、ぐるりとまわりみちをしたから出会ったわたしたち。 私たちが紡ぐ「大雪なものがたり」が、誰かにとっての「ぐるりと」になればと願いながら。

最近の記事

本が知らない世界へ旅に連れ出してくれる(北海道東川町在住/pagewoodなつみさん)

本の止まり木「ブックカフェ pagewood」本にのめり込み始めたのは小学生のとき。『世界の怖い話』ってドラキュラがアンソロジーで入ってる短編集が好きだった。中学生は『なんて素敵にジャパネスク』の平安時代の世界にハマって。高校時代はよしもとばななから始まり、谷崎潤一郎の『細雪』はセリフを覚える勢いで読んだの。 カラカラと鈴の音を鳴らしてドアを開けると、温かく店内を照らすオレンジ色のランプ、焦げ茶ビンテージの戸棚や小物、カフェオレの優しい香り。 東川町のpagewoodは、本

    • すべて貰いものだけで作った山の家が、縁を結びなおす(北海道東川町在住/庄内孝治さん)

      階段、窓、お風呂。すべて貰いもので作った「山の家」 透明な青空とひんやりとした白い景色に、どっしりとした存在感で佇む木目調の家。町の中心部から15分山奥に車を走らせると見えてくるのは、東川町に80年住む庄内さんの家。 「農家の畑の土地を起こすときに出てきた岩、階段も窓もトイレもお風呂も全部ほとんど貰い物なんだ」 友人の納屋を壊すのを頼まれた。「壊したもの、持っていく?」と言われたところから始まった貰い物で作る念願の手作りの家。大工に相談しながら鉛筆と定規で図面を紙一枚で描

      • ぐるりと、旅をはじめましょうか

        「東川町に住んでる同世代のフォトグラファーの女の子も連れてきていい?」 神奈川出身の私が北海道東川町に移住して3ヶ月。心の中で湧いてきたのは「友達がほしい」という感情だった。三十路にもなって。 彩り豊かな季節が寂しく変わる時期に、友達つくりたいがために鍋パを開催した。参加する友人たちのメッセンジャーグループに問いかけと一緒にひとつのURLが投げ込まれた。 淡い色合いの写真たちに見入ってしまった。きっと優しいひとなんだろうな。 紆余曲折たちが集う交差点 その週末に鍋パは

      本が知らない世界へ旅に連れ出してくれる(北海道東川町在住/pagewoodなつみさん)