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読書雑感

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2020年9月の記事一覧

『ある男』

『ある男』

平野啓一郎の『ある男』を読了。
この本でも、作家のベースにあるのは「分人主義」だと思った。
自分の境遇や過去が嫌で、もう一度人生をやり直したいと思ったとき、過去を捨てて、別人として愛のある暮らしを営むことができたらいいのにと思うひとは多いのではないか。
幸せに生きたいと思っても、出自や家庭環境、過去に犯した罪が足かせになって偏見や差別を受けたら、将来に希望を抱くことは難しい。ひっそりと、目立たない

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