面談前に確認!「部下のキャリア」を考えるための7つの動機づけポイント
こんにちは。今日も、以前の記事であるデキるマネージャーが面談でやっていることの1つのポイント、「部下のキャリアを踏まえた話をしている」に関して引き続き話題にしたいと思います。
前回は「キャリア」の捉え方を少し変えてみましょうという話をしました。部下のキャリアを考える時のスタート地点を、本人の「どうありたいか」、嬉しい・ワクワク、前向きな気持ち・やる気がわいてくる状態に着目することに置いてみるとどうでしょうか、という提案です。
本日は、そんな素敵な状態を見つけていくための、ひとつの枠組みをご紹介します。
動機付け理論です。人間の欲求は、衛生要因と動機付け要因の2種類があり、前者は仕事や職場における不満を減らすことに役立ち、後者は仕事や職場における満足感を高めるもの。前提として両方が必要だが、衛生要因は不満を防止する以上のものにならないという点で、より動機付け要因を満たせるようにしていくことが良いと言われています。
衛生要因:給与・賞与、勤務時間、休⽇休暇、福利厚生、職場の物理的環境
これは、絶対に無くてはならないものですが、やる気を増大させ続けるものとしては機能しないこと。また、満たされているかどうかの判断が比較的しやすいので、今回は動機付け要因に注目します。
仕事のやる気を増大させる7つの動機付け要因※
動機付け要因を満たしながら仕事をすることで職場への満⾜が生まれ、⻑期的な活躍・定着に通じます。
①人間関係: 上司・同僚・部下と、お互いに⽀援する良好な関係や、切磋琢磨する刺激的な関係を築けていること
②承認・称賛:上司・同僚・部下から普段の仕事や達成した結果を認められ、褒められること
③達成:仕事を通して達成感を味わえること
④成長:仕事を通して技能的・精神的な成⻑感を味わえること
⑤裁量・責任:経験を積むごとに責任を伴う裁量の幅が増えている実感を持てること
⑥貢献:仕事を通して仲間や社会に貢献している実感を持てること
⑦主観正義:業界や社会に対して、個人・組織独⾃の正義を追求できていること
理解しておきたいことは、同じ組織で同じ仕事を取り組むにしても一人ひとり、重視しすることが違うということ。また、同じ人でも重視することは変化しうるということです。
その前提に立ち、部下一人ひとりが重視している動機付け要因を確認してみてください。7つの項目を部下と共有しながら、本人が何を求めているのかを話し合ってみてください。上位3つくらいを最低半年に1回くらいは確認できると良いと思います。
目の前の部下は、7つのうち、何を重視して仕事をしているでしょうか。これまでを振り返って充実感を覚えていた時、7つの動機付け要因のうち何が満たされていたのでしょうか。
大事にしたい動機付け要因を満たせるようにするには、どのように仕事を任せると良いでしょうか。どのように関わり、どのような役割を任せると良いでしょうか。重視したい項目同士の関連性も踏まえて考え、部下へ提案してみてください。
キャリアは、歩んできた道を振り返ってみればそこにあるものとも言います。自分にとってより良い状態を目指して仕事に取り組む事ができれば、自然とチャレンジが生まれ、成長につながります。これがキャリアを作っていくのだと上司部下で共通認識を持ちながら、面談をしてみてください。
世の中には様々な考えやアプローチがあります。今日ご紹介したものは、一つの枠組み、一つの考え方に過ぎません。ですが、「部下のキャリア」を考える上で、何かのヒントになれば嬉しいです。
※上記の7つの動機付け要因は、エン・ジャパンがハーズバーグの動機付け理論とマズローの5段階欲求説を掛け合わせしより日本流にアレンジし整理したものです。
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