UXデザイナーがデータ活用に向き合うべき5つの理由
データ活用現場でUX思考が重宝される。それはなぜだろう。
UXとデータは表裏一体。UX視点からデータを捉え直すことがビジネス全体に与えるインパクトが大きいからだと思う。
※本記事は、当方がデータサイエンティストと協業していた中での「気づき」をまとめたものです。UX×データ活用の一歩目につながれば幸いです
※ここで扱うデータ=ユーザー行動データを指してます
理由1:ユーザージャーニーを最も理解している
普段からユーザーに寄り添う仕事であり、
ユーザーの課題やジャーニーに思いを馳せる仕事である。
主要導線(クリティカルパス)はもちろん。
周辺導線において、実は大事な寄り道があることも把握している。
だからこそ、ユーザー行動データの設計(タクソノミー設計、イベント設計、ETL設計など)において、重み付け〜意味付け〜優先順位付け等の選別を素早く実行できる。
余談:データ設計がシンプルに機能すれば、データ前処理工程が省けるだけでなく、チームに新人がジョインする際の学習コストも大幅削減につながる
理由2:課題探索に、仮説思考のストックが活きる
UIUX改善に従事していると、実行に移せるものから移せないものまで、常日頃からサービス改善の仮説が、脳内に大量にストックされていく。
その脳内仮説ストックが、
分析現場での課題“探索”に大いに役立つ。
データ分析一巡目で得られた示唆は、分析せずとも普通に考えればわかる課題だった・・・ と言うケースも良くある話。
この時、脳内仮説ストッカーなUIUX従事者が近くに居れば、分析1巡目に出てきた“ありきたりな示唆”に対して、「だったら、こうしてみれば?」と次に深堀すべき、さらなる仮説を投じて、課題探索が前進する。
余談:自らが分析を行えば、一人の頭の中で一定レベルまで進められて時短であり、データサイエンティストとの対話を通じて、さらに深みの未開領域に踏み込める
理由3:UX向上への執念が活きる
データ分析は、目的と手段で言えば「手段」
それ自体で価値を生むものでない。
ともすれば「仕事のための仕事」でおわってしまいがち。
そこに、UX志向を持ち込む。
「ユーザー課題を解決し、ひいては社会課題解決に貢献するのである」
このような強い意志をがあると、組織を動かす強力な手段になる。
UX思考は、日常業務で忘れがちな、企業のミッション/ビジョン/バリューを思い起こさせ、プロジェクトに強い意志を持ち込む。
良くあるケースで言えば、
・UXを高めるのである!という強い意志で、ABテストに着手
・しかし、ABテストの結果が思ってたんと違う・・・
・実は、分析の評価軸の設定に誤りがあった(※DX現場で割と良くあるケースでは?)
新しいチャレンジに対する執念があれば、出てきた結果を鵜呑みにしない。評価軸等の前提条件を再考し、チームは新たな気づきが得られる。
余談:データドリブン、イシュードリブンの根底に「執念ドリブン」
※でも、都合良き解釈をしない自問自答と、周囲のブレーキをきかせる
理由4:足らずのデータにアクションできる
データ分析を通じたユーザー可視化を進めていると、
「このデータが欲しい」といった足らずも見えてくる。
分析チームといった括りで、サービス実装と離れていると、足らずに対するアクションでスピードが落ちる。
部門横断の交渉過程で、諦めてしまうケースもあるのでは。
一方、UIUX従事者であればサービス実装に近い。ユーザー視点やサービス実装の視点から、様々な打ち手を考え、実行計画に落とせる。
打ち手の例
・キャンペーン応募の対価として新たなプロフィールを登録してもらう
・1to1なUIUX提供のためにユーザーの興味関心を教えて貰う
・他サービス連携のUX向上を示し、他サービスのデータ連携を許諾 etc.
理由5:UX⇄データの好循環をデザインする仕事
生活に至る所にデジタルが浸透。殆どのタッチポイントがデジタル化。社会的にも、個人データ利用規制への関心が高まっている。
そんな中、ユーザーに自社サービスを継続的に使ってもらうには?
選ぶ基準は、データの秘密保持への信頼だけではない。
そのデータを活かして、どれだけ生活を豊にしてくれるか?が手前にある。提供データ最大限に体験価値として還元してくれるサービスが選ばれる。
もはやUXデザイナーの仕事は、単にUXを考える仕事では無い。
ユーザー行動データをUXに還元し、好循環をデザインする仕事に変わったと思う。
主な仕事
・ミッション/ビジョンにつながるバリュー体現を推進
・ブランドプロミス≒サービス体験価値の品質を守る
・ユーザーエンゲージメントを高め、より深い関係(データ提供を得る)
・ユーザーから提供されるデータを余すところなく活用しUX価値を高める
以上です。
UX×データ活用の業務の中で得た気づきをまとめました。
この記事が、データ活用現場へのUX思考の導入を通じて、データ活用社会へのポジティブな一歩目につながれば幸いです
長文最後までお読みいただきありがとうございますmm
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