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ゲームレビュー #9  龍が如く 極/PS4・PS3・Steam・Xbox One

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#9  龍が如く 極/PS4・PS3・Steam・Xbox One
プレイ環境:PS4(純正コントローラー)

親友と愛する女のために親殺し(組長殺し)の罪をかぶり(すなわち冤罪で)、懲役10年の刑を終えて神室町に戻ってきた主人公、桐生一馬は母を捜す少女、遥と出会う。彼女は、かつて桐生が所属していた関東最大の広域暴力団「東城会」から盗み出された、100億円の鍵を握るといわれ、様々なヤクザ勢力に狙われていた。遥を守るために戦う桐生は、戦いの中で「人として生きることの意味」を見出すこととなる。
※wikiより


仕事に追われに追われ、久しぶりの更新です。と言いつつゲームはずっとやってたんですが、なんだか文章にうまくまとまらず、ずいぶんと間が空いてしまいました。
そんなこんなで、今回は『龍が如く 極』のレビュー。
先日SEGAのセールで『龍が如く』シリーズがまとめて安くなっており、とりあえず1作目である『極』を購入してプレイしたところ、これが思いのほか面白く、結局『0』から『7』まで全部購入しました。
このシリーズ以外にもセールの勢いで色々買ってしまったので、当分レビューの題材には困りません。レビューをどんどん書けるとは言っていない。

ということで、以下からがレビューです。例によってネタバレを多分に含みます。


・ストーリー

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ストーリーはライブ感に全振りといった感想。
「100億円という大金を巡って様々な人間・組織が絡み合い、争い合う」という泥沼感はヤクザものとしては面白いし、主人公の桐生一馬がヤクザではあるものの100億円自体に興味は無く、遥を守る・筋を通すということに徹しているというのもストーリーとして気持ちがいい。
ただし冷静になると「いやそうはならんやろ」というシーンがサブストーリーや戦闘はおろかメインストーリーですら多く、特に1vs多数で銃を持って囲んでるのにグダグダ喋ってる間に窮地に陥った挙句なぜか接近戦を挑んできて負けるボスなど、いくらライブ感で押し切るにも厳しいシーンが多数見受けられる。
さらに本編のラスボスであり因縁の相手でもある錦山が回想シーン以外で出番がほとんど無いのも残念。


・キャラクター

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CV黒田崇矢という名優と相まって、主人公である桐生一馬というキャラクターの魅力は随一。
メインストーリーだけを追っていけばとにかく硬派かつ男気に溢れたカッコいいキャラクターである一方、サブストーリーやミニゲームを始めると途端にキャラが崩壊し、いつもの良い声で突拍子も無い言動を始めるギャップも面白い。
他にも強烈な見た目と言動ですさまじいインパクトを与える真島吾朗や、
刑事という立場でありながら良き相棒でもある伊達真など、愛着の沸く濃いキャラクターが揃っている。


・グラフィック

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“神室町”という限りなく実在に近い非実在の街並みは非常に美しく、「そこにいる」没入感が素晴らしい。
一部の施設名や商品名は実在のものをそのまま使用している(ドン・キホーテ、CCレモンなど)し、その再現度といいリアリティは群を抜いている。
また一部のキャラクターは実在のタレント・芸能人をモデルにし、時には声もそのタレント本人が担当するなど、あくまでもフィクションであることが前提であるテレビゲームとしては珍しい表現が見られる。


・バトル

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このゲームの最大の特徴である、あらゆる場所で、あらゆるものを使って戦うバトルシステムは非常に爽快感がある。
『鈍重だが攻撃力が高い』『1発の攻撃力は低いがスピードと手数で圧倒する』など個性が異なる“4つのスタイル”を駆使し、
更にバットやドスなどの凶器から、三角コーンや看板などのオブジェ、車や壁などの背景までを武器にして敵をぶちのめしていくやりたい放題感はとても良い。
“戦い方”の楽しさは幅広い一方で、“イベントとしての戦い”に関しては、やたらと固い敵との連戦が続いたり、超スピードでハメに近いコンボを繰り出すボスが居たりと、意外とストレスが溜まることが多い。


・システムとゲーム性 

神室町というひとつの町の中を自由に移動し、イベントを進行していく、いわゆる箱庭ゲームだが、マップ自体があまり広くはなく、その中でさらにタクシーというマップの端から端限定だが高速で移動する手段もあるので、移動に関してのみ言えば大したストレスは感じない。
またオートではないがどこでも任意でセーブ可能で、アイテムボックスもある程度点在し、回復手段もたくさんあり、イベントも基本的に迷う事なくサクサク進める親切設定になっている。
こうしたシステム面は優秀なのだが、肝心のゲーム性が色々と勿体ない出来。

まずイベントのワンパターンさ。
基本的にイベントは「〇〇に行って〇〇に会う、〇〇を持って戻ってこい」というお使いものが多く、
中には「行って戻って来たが〇〇が足りないのでその足で違う場所へ行ってまた同じ場所に戻って…」という非常に非効率な作業をやらされることもある。

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さらにマップ内で突然真島と遭遇し戦闘になる『どこでも真島』システムも、それ自体は中々面白いものがあるが、『どこでも真島』で会ったばかりなのに、次に起こったメインストーリーでのイベントでは「久しぶりだ」などと会話したりと話の整合性が取れないことがある。
またザコ敵との戦闘も一戦一戦が短縮できずなりがちで、その戦闘を楽しめるか、鬱陶しいものと感じるかは個人差があるところ。


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ゲームとしてボリューミーと呼べはするものの、前述のように無駄足を運ばせることによるシナリオの水増し感はどうしても拭えない。
その一方でミニゲームの要素が非常に豊富で、麻雀、将棋、ボウリングなどのポピュラーなものに始まり、丁半やカジノなどの博打的なもの、ポケサー(ミニ四駆)や昆虫女王メスキング(カードゲーム)などのやり込みに近いもの、
果ては闘技場にキャバクラ通いまでと、とにかく種類が豊富かつ作り込みも丁寧で、時間を潰す・遊ぶ要素としては十分すぎるほどに揃っている。
そのそれぞれにそこでしか手に入らない報酬やトロフィーがあるため、例えば麻雀や将棋のルールが分からないとその時点で報酬の入手は不可能になるというようなことは起こり得るが、別にゲームクリアには何の影響もないので気にするものでもないかもしれない。


・総括 

海外でのこのゲーム名はズバリ直球に『YAKUZA』だが、結論から言うとこれは主人公が(元)ヤクザであるというだけのことで、ヤクザとして好きなだけ悪行を働くゲームではない。オープンワールドと言うほど広い世界を自由自在に行き来するわけではなく、あくまでも徒歩圏内の街中を移動する。『グランドセフトオート』や『セインツロウ』のように自ら一般人を虐殺したりもせず、あくまでも身に降りかかる火の粉を払うために暴力を行使をする。
イベントも一本道のお使いをこなすのが基本なので、言ってしまえば自由度という点ではかなり低い。
それでもこのゲームのファンが多く、人気の長寿タイトルとなっているのは、とにかくキャラクターに圧倒的な魅力があるからだとプレイして感じた。加えてシナリオのわかりやすさやバトルの爽快感など、プレイヤーの感覚に訴えかける部分が大きく、ハマる人にはとことんハマる仕様になっている。充実のミニゲームといい長く楽しめる作品になっているので、アクションゲームが得意ならぜひ一度はプレイすることを薦める。

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