ゲームレビュー #10 龍が如く 極2/PS4
#10 龍が如く 極2/PS4
東城会と消えた100億円事件の1年後、堅気となった桐生一馬は、澤村遥と幸せな日々を送っていた。
しかし、弱体化した東城会吸収を狙う近江連合は関東進出へ向けて抗争の準備を着々と進めている。五代目会長である寺田行雄は桐生にこの危機を乗り越える相談を行った矢先に近江連合の凶弾に倒れる。
桐生は寺田の意思を引き継ぎ、東城会を救うべく神室町へと戻ってくる。そして、抗争を阻止すべく寺田から託された書状を手に関西へと向かう。平和的解決を目指したが、そこに「関西の龍」と呼ばれる近江連合直参郷龍会会長、郷田龍司が立ちはだかった。
そして東城会に秘められた過去の「語られぬ事件」。26年の時を経てその復讐も同時に進行する。
※wikiより
あけましておめでとうございます。
積みゲーは増える一方の中、ついに年を越してしまいました。
まぁとは言えゲームは楽しんでナンボなので、やらなきゃいけないという気持ちではなく、ただただ楽しんだ感想を書けたらいいかなと思って、今年もゆるくやっていこうと思います。
本年もよろしくお願いいたします。
さて、2022年の一発目のレビューは、前回の『龍が如く 極』の続編、『龍が如く 極2』。
ネタバレ全開ですのでご了承ください。
・ストーリー
関東ヤクザvs関西ヤクザのシマ争いという非常にわかりやすく、かつ鉄板のストーリー。
…なのだが、関西ヤクザに加勢する韓国マフィアや、さらにそこに警察も介入してきてと、わちゃわちゃ感は前作『極』を上回る。
また冒頭に流されるムービーが物語の最後まで何度も再生され、その度に「実はこうだった」という新しい情報が増えていくので、なんというか謎の解明というよりも話の後付け感が先に来てしまうのは残念。
さらにずーっと車椅子で要介護状態なのに拉致られっぱなしの郷田会長など、細かくツッコミたい場面はいくつもあるが、まぁこれも前作と同じくライブ感で楽しめればいいんじゃないかという感じ。
またオマケ程度ではあるが真島吾朗を主人公として操作できる“真島編”があるのは嬉しい点。欲を言えばもうちょっと尺は欲しかったが。
・キャラクター
前作からの続投キャラ以外にも新規キャラクターが多数登場するが、個人的に注目すべきは狭山薫・堂島大吾・郷田龍司の3人。
まず女刑事・狭山薫。
前作『極』においての女性キャラの存在は青春ラブコメみたいに男女間の気持ちのすれ違いを起こすばかりで、『愛人』という極道モノに必要不可欠とも言える要素にはなり得なかった。
…とは思ってはいたが、まさか続編で刑事がそこのポジションに行くとは、というのが率直な感想。
CERO:Dなので当たり前だが濡れ場はないものの、終盤のかなりディープなキスシーンなど、まぁヤクザだし…桐生だって男だし…みたいな当然のポジションがようやく埋まったみたいな気持ちになった。
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続いて堂島大吾。
混乱に陥った東城会をまとめるための頭として桐生が推薦した人物だが、
初登場時はただの半グレだわ、自身を陥れた郷田龍司にリベンジを挑むも余裕でボコされるわ、そもそも拉致られるわと、とにかくびっくりするほどいい所がない。
桐生と2人でバトルに入っても伊達や狭山と大差ない強さのNPCでしかなく、前述のダメっぷりを見てると大したカリスマ性も感じられず、本当にこいつで色々と大丈夫かと心配になる。
最後は郷田龍司。
とにかく見た目がメチャクチャに強そうかつヤンチャ感が出ていて素晴らしい。
さらに桐生と同じく龍の入れ墨を背負い、「本物の龍は1人でいい」と豪語する不遜っぷりも高評価。
…と、それはそんなに褒めるところか?と思われるかもしれないが、何しろ前作のラスボスは桐生との因縁こそ深かったものの敵としては…みたいなところがあったので、これくらいわかりやすく敵対してる奴の存在は「待ってました!」というところ。
・グラフィック
お馴染みの神室町に続いて大阪の“蒼天堀”という新たな街がマップに加わったが、そちらの街並みも非常に美しく、臨場感に溢れている。
行ける場所も格段に増え、「そこに建物はあるが立ち入りはできない」という場面が減り、その行く先々でイベントが起こる。
美麗なグラフィックは前作よりさらに進化を遂げているが、『極2』はとにかく「オブジェが壊れる」という要素が格段にグレードアップされている。
「投げ飛ばされた敵が看板や自転車などの物体に激突する」「背景の店のガラス戸をぶち破って店内に入り、そこでバトルを続行する」など、あらゆる場所が戦場になり、破壊される。
モノを破壊する爽快感という点では他のゲームの群を抜いていると思う。
・バトル
街のチンピラに絡まれた際の戦闘への導入が以前よりもスムーズで、絡まれたら即殴り合いである。
『極1』よりも人間の重量感というものがなくなった感があり、最初期のステータスでも容易に敵をぶん回して遠くへ放ったり、横っ腹を蹴っ飛ばしただけでゴム毬みたいに敵がぶっ飛んでいったりする。
そんな爽快感を味わえるのはあくまで街のチンピラ相手の時だけで、イベント戦闘になると事態は急変する。
武闘家やマフィア、忍者や鎧武者に果ては虎と、ヤクザのケンカ相手としては常軌を逸した敵が続々と登場し、しかも大体がかなり強い。
まぁこっちはこっちで刃物や銃火器を持ち込んで対応できるのだが…。
他には今作は2人1組で行動する場面が多く、同行してるキャラも戦闘に参加し、必殺技"ヒートアクション"では連携攻撃もできる。
とは言え誰が相棒でも同じ技が出たりすることが多いのであまり代わり映えはしないのだが。
また特定の場所では知り合った通行人が武器を貸してくれたりと戦闘をアシストするヒートアクションもあったりする。様々な場所でのヒートアクションを探すだけでも面白い。
・システムとゲーム性
システム面は前作と特に変わらず良好で、ゲーム自体はストレス無く進めることが可能。大量にアイテムを持ち歩くことができるので回復の手段にも困らないし、
進行中のメインストーリーとサブストーリーは一覧表示されるので忘れたり迷ったりすることがない。
気になる点と言えば、ロード時間が比較的長いという点くらいか。
特に神室町←→蒼天堀の移動時などのロード時間は非常に長い。その後は街中での戦闘もシームレスになるので仕方ないと言えば仕方ないのだけど。
関西にも行けることにより前作と比較して行ける場所が単純計算で2倍に増え、それに伴って遊べるミニゲームやサブクエストも更に広がりを見せた。
特にキャバクラ経営の『水商売アイランド』、
タワーディフェンス系ゲームの『クランクリエイター』。
この2つはその作り込みの深さと、実在のプロレスラーやAV女優をキャラクターとして多数起用するなど、ミニゲームと呼ぶには余りあるほど非常に濃い内容となっている。
・総括
『龍が如く』シリーズのナンバリングとしては2作目に当たるが、発売日としては『龍が如く6 命の詩。』よりも後で、言うなればこれまでのシリーズの技術・ノウハウをすべて詰め込んだリメイク作品となっている。
そのため遊びやすさもボリュームも文句なしの出来に仕上がっており、あとは極道モノとしてはクセのあるストーリーをどこまで楽しめるかどうか、というところ。
膨大な数のヒートアクションを満喫しながら暴れるもよし。シンプルに物語を楽しむもよし。ミニゲームにのめり込むもよし。
昨今のオープンワールドゲーでよく言う「好きな場所で好きなことができる」とはまた違った“自由”を感じられる名作。
これもまた自由。