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「多幸感メニュー」

古いアメコミ画像を集めがちな谷です。

今日はご飯の話をします。

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おいしいご飯は幸せです。
大人になってから気付いたことの一つです。

ですが、「おいしい」の更に上を体験したことはありますか?
僕はあります。
値段が高いわけでもなく、好物というわけでもなく、明らかに脳が何かを分泌する料理。
同じメニューなら良いというわけではありません。
お店や作る人、はたまた自分のコンディションによってはそこまで達しない時もある。

そんな自分にとってのスペシャルを「多幸感メニュー」と名付けました。

そんな僕の「多幸感メニュー」、幸いなことに徒歩圏内に3品あります。
と言うか、それらを食べて「おいしい」の上があることを知りました。

具体的な店名などは書きませんし教えませんが、「八宝菜」「チキンカツ」「ラーメン」です。

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某店の「八宝菜」は、はじめて「多幸感メニュー」の存在を感じた料理です。
それはランチメニューでした、
そのお店自体はどの料理もおいしく、ちょくちょく食べに行っていました。
主には夜なのですがランチもやっていることを知り、何気なく頼んだ日替わりメニューが、「初・多幸感メニュー」となったわけです。

白米、白湯スープ、唐揚げ1個、杏仁豆腐、そして八宝菜。
大振りに切られた野菜の、白菜を口に運び、噛んだ瞬間。

キました。

「ぶわっ」とか「ドバッ」という効果音がたしかに頭に響きました。
味はもちろんおいしい。
でもこのおいしい以上の感覚はどこから来るのか。
ふわあ、と声が出そうになるのを堪え、あっという間に食べ終わりました。

食後数時間、あの感覚はいったいなんだったんだ、なにか違法な薬品を盛られていたのではあるまいか、食事でそんなことが起こるのか、と余韻に浸っていました。
ご飯を食べて多幸感を感じる、そんなことがあるんだと初めて知ったのでした。

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「チキンカツ」も、よくご飯を食べに行くお店の、頼んだことのない定食メニューでした。
たまには違うものをと「チキンカツ」を頼んだところ、それは来ました。

まずルックスが完璧。
ご飯、みそ汁、大きめの皿に乗ったチキンカツ、その手前に四角い小皿に入ったソース。
何も特別なところはありません。それ故、完璧なのです。
これを作った人はすごく「わかってらっしゃる」。信頼感は上がり、目前の料理には期待感しかありません。
カツは当然のように揚げたて。それをソースにつけ、一口。

はい、キました。「ぶわっ」ですわ。「ドバッ」ですわ。

その日以来、あまり頻繁に「チキンカツ」を頼まないようにしています。
食べ慣れることによって「多幸感メニュー」から外れることを危惧しているためです。
しかし、いつ食べてもしっかりキます。

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「ラーメン」は、メニューと言うよりそのお店が出すラーメン全て「多幸感メニュー」になってます。
新作出す毎に「多幸感メニュー」入り。
なんならチャーハンまで「え?」って言うくらい旨い。
あれ?神の店かな?

どうやらこのお店は僕にとってだけでなく、多くの舌に響くようで、
酔っぱらってクダまいていたオジサンが一口食べて、「うまいナァ・・・」と唸り、会計時にニコニコと賛辞と感想を伝え、上機嫌でお帰りになられた程です。
当然、僕はその一部始終を内心「そうでしょう、そうでしょう」と眺めていたわけです。
一品の料理が平和を作っているわけです。
また店員さんがいい人たちなんだわ。
空間がピースフル。実際、僕は心身疲れたときに行きます。
ちなみに、みそとんこつ系です。

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この話、誰にも話したことがありません。
説明が難しいし、皆が同じように感じたことあるとは思えなくて。
いい機会なので書いてみました。
もし自分だけの「多幸感メニュー」をお持ちなら、大事にしてください。

多幸感を感じるまでいかなくても、食べながら心の中で「おいしーい!」「うめぇ」とか呟くと1,2割おいしさアップしますよ。


谷啓吾

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