その「サイクル」が売り物の店
梅の花が綺麗ですね。
寒い冬を越えて、この時期になると
「梅の花」ー「バレンタイン」ー「開店記念日」ー「花粉」ー「春桜」
と、季節は巡ってくるもんだなあ、なんてあらためて感心したりする。
まあ、BARとしては会話に苦労しないので、助かるといえば助かるのだが。
(いつも思うのだが、赤道直下のBARでは日々どんな会話がされているのだろう・・・。)
とくに今年の開店記念日(2月14日です)には、キリのいい年数でもないのに、たくさんのお花やお菓子などを頂戴いたしまして、誠に有難い限り。
益々の精進を誓うのみでございます。
さて、
弊店今年で22年目に入るのですが、振り返って
「いったい何が売りなのか」を考えてみると、
先ほどの例ではないが、1年を通して巡ってくる各種メニューの移り変わり、
その「サイクル」が、もっともなのではないかと思い始めている。
(ちょうど前回の記事でも「自然のサイクル」に触れたばかり)
とくに何かひとつのジャンルに拘っている訳ではないし、
さほどレアなお酒を取り揃えている訳でもない。
強いて挙げるとするならば、やはり長年(まだ20年そこそこですが・・)で培った、その「循環」が売りなのではないだろうか。
例えば、季節の果物を使ったカクテルでは
1月「バナナ」
2月「みかん」
3月「グレープフルーツ」
4月「キウイ」
5月「メロン」
6月「マンゴー」
7月「パイナップル」
8月「梨」
9月「無花果」
10月「柿」
11月「洋梨」
12月「ザクロ」
ダッチオーブンを使った、季節ごとの煮込み料理では
春「鯖のマスタードソース煮込み」
夏「ソーセージの蟹トマトソース煮込み」
秋「鶏とブロッコリーのホワイトソース煮込み」
冬「牛スジ肉の赤ワイン煮込み」
などなど。
これに毎月ごとのおすすめカクテル(「栗」や「西瓜」、「フローズン・桃・マルガリータ」など)が加わってくる。
「そんなの今はどこのバーでもやってるよ!!」と言われればそれまでなのだが、筆者随分以前に働かせてもらっていたBARでは、いつ行っても同じメニュー、同じスタイルでやっていたし、BARとはそういうものだと思っていた。(実際いつ行っても変わらない、そのシステムが好きで来るお客さんがほとんどだった。)
以前、この「note」の中で、僕は「できればいつも同じものを作っていたい人間」というような事を書いたと思うが、
自分で店をやっていると、色々とそうも言っていられなくなることも生じる。
お客さんの入らない時期をなんとか払拭すべく、慣れないことを始めた結果ではあるが、いまではそれがこの店のスタイル、システムに繋がっていると思う。
実は、これは僕の中では大きな変化だ。
以前にも触れたが、僕は東洋思想の五行「木・火・土・金・水」で言うところの「土」に当たる。そもそも「土」には四季がない。(他は「木(春)・火(夏)・金(秋)・水(冬)」とそれぞれ割り当てられている。)
が、一方でどの季節にもある一定の期間「土」にあたる時期が存在する。それが「土用」と呼ばれる。つまり「土」そのものに季節はないが、どの季節にも「土」的な期間が存在するとも言える。(興味ない方のため今回もこれ以上割愛(笑。)
もしかすると、僕の中にもそんな「四季」の要素があるのかもしれない。
そう思い込んで、やることにしています(笑。
「土」は耕さなければ、どんどん固くなって「愚鈍」となる。
最初に戻って、今後も益々精進して参りたいと思います。
放っておくと、すぐ固まるので(笑。
神保町へお越しの際は、是非お立ち寄りください。
でも、やっぱり赤道直下型の店に興味はあります。
ほら(笑。
お待ちしております。
Cycles / Flovry
Flovry
2018
(本文の最後に、お店でよくかける音楽を紹介しています。お家でお酒を飲まれる際に是非どうぞ。今度お店に聴きに来てくださいね。)
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