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【詩の翻訳】もし/ルートヴィヒ・フルダ

もし

そう、もしはじめから俺に
あまり欠けているものがなかったら、
ただ異なる感覚で
異なる道のりを選んでいれば、
適切な道で
適切な助けを受けていたなら、
俺がしたことのかわりに
その反対のことをしていたなら、
上の命令で
多くのことをする必要がなかったなら、
今の俺が知っていることの
半分だけでも先に知っていたなら、
かつて真剣にただ意思していたなら、
いや今なおただ意思していたなら、
幸運を軽んじる多くの人のように
幸運が俺を愛してくれていたなら、
十倍の金を持っていたなら、
俺のできないことが俺にできたなら、
もう一度この世に生まれたなら——
そう、それだったら!

Ludwig Fulda: „Wenn“, In: „Deutsche Gedichte für die Hauptschule”, Hrsg. von Ernst Meyer-Hermann[u.a.], Frankfurt a. M.: Diesterweg 1966, S.88.

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