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【詩の翻訳】謝肉祭/フリードリヒ・ビショフ

謝肉祭

あの謝肉祭だ——そうだよ、みんな、
川の氷が割れて轟音を立てながら流れ、
冗談と口づけの間に鳴らされた
幽霊じみた鐘の音のように響いていた。

太鼓、フレンチホルン、クラリネット。
飲み屋の中は陽気だった、
川の流れが寝床から
落ち着きなく起きてくるまで。

雪に包まれ、緑の松ぼっくりの歯をして、
水の精の国から来た
一人の男がボートから降りた、
全てが青ざめて見える……

彼がダンスに誘った人を、
今ではもう誰も知らない、
一つの仮面が沈んでいった、
樹氷を追って。

Friedrich Bischoff: „Fastnacht“, In: „Deutsche Gedichte für die Hauptschule”, Hrsg. von Ernst Meyer-Hermann[u.a.], Frankfurt a. M.: Diesterweg 1966, S.84.

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