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【詩の翻訳】冬のつぐみ/オダ・シェーファー

冬のつぐみ

青く、さまよいながら、
かすんだ霧の中で消えていった甘い声よ。
不安げに飛ぶ弱った羽は、
夜明け前のこうもりのよう。

暗闇の中で淡い色の黴が生え、
しめった毛皮が黒く染まる。
だから君は歌うんだ、明るい空を、
ポプラの香りを、こがね色の松やにを。

風は葉を破り、
雨は枯れた草の上に滴り落ちる——
それは見えない唇から響き、
フルートは霧のベールを抜けて

黄昏の夢と湿気の内に
あまりにも早く溶けてしまう、柳の管が響くように。
ああつぐみよ、嘆け、
青い玉座のような新たな年が輝くまで。

Oda Schaefer: „Amsel im Winter“, Hrsg. von Ernst Meyer-Hermann[u.a.], Deutsche Gedichte für die Hauptschule, Frankfurt a. M.: Diesterweg,1966, S.26

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