【詩の翻訳】あと片付け/アントン・ヴィルトガンス
あと片付け
赤々と燃える炎をなして秋の森が燃えている
秋が森に火をつけたのだ
暗い山頂が丸くなっているところに、
焔が並び合い、びっしりと群がっている。
雲は煙のように立ちのぼる、
たくさん散らばった薪の山から。
そして冷たく厳しい風がハアハアと
鋭い息で火を吐く。
そのとききしむ枝葉から
いくつもの葉が火花のように飛び散り、
なおもほのかに光っている、葉が
白い大地に沈み込み、霜でぐっしょり濡れながら。
愛と音と光だったものが
どんよりと灰色の中に沈むまで——
それから冬はほうきを持って
死んだがらくたを掃いていく。
Anton Wildgans: „Kehraus“, Hrsg. von Ernst Meyer-Hermann[u.a.], Deutsche Gedichte für die Hauptschule, Frankfurt a. M.: Diesterweg,1966, S.24
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