【詩の翻訳】ありえない事実/クリスティアン・モルゲンシュテルン
ありえない事実
パルムシュトレームは、すでにいくらか歳をとっていたのだが、
道のカーブしたところで
車に
轢かれた。
「どうして、」と彼は言う(立ち上がり
決然と生きながらえて)、
「ありえただろうか、どうしてこの不幸が——いや、
そもそもこんなことが起こったということが?
政策は
自動車の件で弾劾されるだろうか?
警察の規定では
運転手にここの自由通行権を与えていたのだろうか?
あるいはもっと正確に言うと、
ここで生者を死者に変えることは
禁止されていたのだろうか——簡潔明瞭に言えば、
ここで運転手は許可されていなかっただろうか?」
湿った布に包まれて
彼は法令集を調べ
そしてすぐにはっきり分かった。
車はそこを通行することを許可されていない!
そして彼は次のような結論に至る。
「この経験はただの夢だったのだ。
なぜなら、」彼は刃のように鋭くこう締めくくった、
「許可されていないことはありえないからだ。」
Christian Morgenstern: „Die unmögliche Tatsache“, In: „Deutsche Gedichte für die Hauptschule”, Hrsg. von Ernst Meyer-Hermann[u.a.], Frankfurt a. M.: Diesterweg 1966, S.87-88.
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