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【詩の翻訳】小さなアスター/ゴットフリート・ベン

溺死したビール配達員は台の上に持ち上げられた。
誰かが暗い藤色のアスターを
彼の歯の間に挟んでいた。
私が胸から
皮膚の下に
長いメスを入れて
舌と上顎を切除したとき、
私はアスターに触れたに違いない、というのもアスターが
横の脳に滑り込んだからだ。
縫合のとき、
私はアスターを彼の胸腔に詰めた
木毛の中に。
花瓶の中で腹いっぱい飲むがいい!
安らかに眠れ、
小さなアスターよ!

Gottfried Benn: Kleine Aster. In: Gedichte des Expressionismus. Hrsg. von Dietrich Bode. Stuttgart: Philipp Reclam jun. 1991, S.79

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