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【詩の翻訳】クリスマスのショーウィンドウの前にいる子ども/マンフレート・ハウスマン

クリスマスのショーウィンドウの前にいる子ども

彼らが夢を見ていたときは、こんな感じで、
静かで遠くて、でも不思議と近かった。
今、夢は彼らのもとをあまりにも早く離れてしまった、
でも妖精はまだここにいる。

羽のついた車輪は動き続ける、
飾られた2本の蝋燭が赤々と燃える下で。
蝋燭の間で冷静に
牧人が彼の雌牛たちとぐるぐる回っている。

くるみ割り人形の王は噛む準備万端で、
欲望と怨恨で目をぎょろつかせている。
人形たちは大きな目でどこかを見つめ、
口もとで神秘的に微笑む。

兵士たちの前で
剣をさっと抜いて小さな板の上に立っている大尉、
金色に光る雲の下で
黙って遠くへと漂う帆船、

それから長いきらきらの飾り紐をまとったアルレッキーノと
浮かび輝く世界を映してあちらこちらへと連れていく
オーナメントボールと、
上の方の軽やかな天使の踊り……

彼らが夢を見ているときも、ときにはこんな感じだった。
彼らは物思いに耽りながら輝きの中で驚くのだ、
やはり常にあこがれのため息は
所有よりもずっと甘美だと予感したかのように。

Manfred Hausmann: „Kinder vor einem weihnachtlichen Schaufenster“, Hrsg. von Ernst Meyer-Hermann[u.a.], Deutsche Gedichte für die Hauptschule, Frankfurt a. M.: Diesterweg,1966, S.27-28

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