見出し画像

読書の楽しさ

中学校の卒業式を終えて一息ついた息子から本屋へ連れて行って欲しいとリクエストがあった。長らく続いた受験勉強もひと段落して、我慢していた漫画をひとしきり買いたいらしい。

5分ほど車を走らせた本屋で、子供が漫画を選ぶ間にふらっと店内を回ってみる。そういえばこんなふうに本屋を徘徊するのは久しぶりだなと懐かしくなって、平積みの書籍の中から2冊ほど手に取ってレジへ向かった。レビューの星の数やランキングなどを気にせずに本を買ったのはいつぶりだろうか。

会計を終えて、ふと自分もそこそこ本を読んできたなと突然思い出した。中学の頃は映画の小説から始まって椎名誠をよく読んだ。いったいいつどこで誰に勧められて読み始めたかは全く覚えてないが、シリーズの最新刊を待ち侘びて本屋の新刊表をチェックしていた記憶がある。高校になると村上春樹や村上龍、山田詠美なんかの都会的な小説を背伸びして読んだ。東北の叔母を訪ねる際に乗ったJRのキオスクで村上春樹の本を手に取ったのが最初ではないか。当時はくるくると回る籠のような書棚で小説が売られていたものだ。遠い記憶のなかにうっすらと思い出された。大学入学にかけては中島らもを読み精神の崩壊についてしっかりと予備知識を得た。あとはミステリーも読んだし、海外作品も読んだし、ノンフィクションにハマった頃もあったような気がする。エッセイなんかは誰彼構わず暇つぶし良く読んだ。

自分の中に読書愛がそこそこあることに驚いて、昨日購入した本を読んでいる。そういえば、本を読むことも文章を書くことも嫌いじゃない。寧ろ好きな作業なのだ。このところ、ビジネス本やら自己啓発本ばかり読んでいて読書の楽しさをすっかり見失ってしまっていた。仕事で書き物に追われて書く行為に辟易してしまっていた。

少しの間、エッセイを書いてリハビリしてみようと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?