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「結婚てのぁ、生活だからね」

ターミナル駅そばの繁華街、細い通りの奥にある居酒屋さんに友人に連れられて入る。
この人とのカウンターに並んでの馬鹿話はいつも楽しい。
背後のテーブルでは会社員風の三人連れが、穏やかかつご機嫌に談笑してる。

焼酎のお湯割りに変えようかな、と会話の途切れ目で店主を仰ぎ見たとき、

「結婚てのぁ、生活だからね」

年かさらしい男性の声が背後から。
低くてちょっと複雑な笑みを含んだような声の、その意味がだんだん自分にしみこんでくるみたいな気がして、「おぉ、そうなんだぁ」と素直に頷いてしまいました。


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