ウクライナの戦争(5)日本がやるべきは日米同盟堅持と原発再稼働だ。

 現在ウクライナで起きている戦争に心を痛めている方は多いと思う。が、本当のところ日本はウクライナを心配している状況では無い。
 ウクライナがロシアの隣国なら、日本もロシアの隣国。そして地球儀を見れば一目瞭然、日本列島は戦略的に重要な位置を占めている。だから、何時ロシアが軍事侵攻してきてもおかしくない。

 つまり、現在のウクライナは、もしかしたら、明日の日本の姿かもしれない。

 しかし、ひとつ決定的に違うことがある。日本はアメリカの縄張りであり、だからロシアが日本に侵攻した場合、アメリカとも戦争になる。だが、ウクライナはそうでは無かった、という点。故にロシアは、ウクライナとは戦争できても、日本とは戦争できない。
(「アメリカは本当に日本を守るのか?」という疑問は昔からある。が、以前も説明した通り、重要な同盟国を見捨てた場合、アメリカの威信は地に落ちる。また、日本を失った場合、アメリカは東アジアから西太平洋一帯を失うことになる。なにより、現実には戦わずして日本防衛を完遂できる)。

 だから、日本は日米同盟を堅持しなければならない。

 とどのつまり、日本に米軍基地があるのはそのためだし、2014年に大騒ぎして安保法制を成立させたのもそのためだ。
 現在、日本がロシアに経済制裁しているが、その真の目的もそれだ。ここを間違えてはいけない。


 そして、ロシアとウクライナの戦争は、もはや解決はしないと見るべきだ。ロシアが幾つも悪手を打ってしまい、ウクライナはロシアに妥協することは不可能になってしまったため。

 ただし戦闘は小康状態になる可能性はあるし、何らかの条件(例えば、ロシア占領地のウクライナ住民の、ウクライナ側への移送)で停戦が成立する可能性はあると思う。が、それは戦争の終結では無い。

 そして戦争が長期化した場合、ロシアに対する経済制裁はどうするのか?が、大問題になる。
 ウクライナに泣いて貰って、なし崩し的に解除していくのか? それとも、ロシア軍が撤退するまで制裁を強化し継続するのか? という大問題。

 おそらく後者になるのだろうが、それってつまり、経済面ではロシアと完全に断交、ということになる。エネルギー大国であるロシアと。

 従って、さらなる大問題に、日本のみならず、反ロシアの国々は直面していくことになる。エネルギーをどうやって確保するのか?という大問題。

 そしてこれ、どうするも何も、原子力発電に頼る以外の選択肢は有り得ないよね? もはや「原発事故が怖い」とか言っていられる状況じゃ無いよね? という話。
 エネルギー危機はもう目前に迫っている。一刻も早く原発再稼働を進めるべきだ、というのが筆者的な意見。


 付け足しだが、今、憲法改正の声がまた出てきている。が、安全保障の観点からは、そこは大して重要じゃない。さしあたり、改正しようがすまいが、どうでも良い。
 といいますか、どうせそれ、いつも通りの『やるやる詐欺』だろう。

(念のため付け足しだが、筆者は憲法改正はしなければならないと考えている。しかしそれは以前説明した通り、民主主義の理念と法の精神からだ。そしてそれは、一回やってお終いでは無く、無限に改正を重ねなければならない、ということでもある)。


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