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本日の読書 #006 「農業革命」

参考書籍:『サピエンス全史(上)』ユヴァル・ノア・ハラリ



第二部  農業革命
第五章  農耕がもたらした繁栄と悲劇

読書記録より引用

農業革命。
約12,000年前に人類に起こったとされる。

日本で言えば縄文時代から弥生時代に変わったときにそれが起こった。


↑私の好きな曲『狩りから稲作へ』。


農業革命と聞くと「今まで命からがらマンモスを狩っていた人類が、作物を育てることで悠々自適な生活を送った」ようにイメージされる。

しかし本書『サピエンス全史』によれば「農業革命は、史上最大の詐欺」らしい。


狩猟採集時代はその辺の木の実や小動物を狩っていれば、とりあえず食糧に困ることはなかった。

対して農耕は水汲み、耕作などとにかく重労働で、しかも天候によってその努力が水泡に帰すこともままある。

そうして採れた穀物も調理しなければとても食べられる代物ではなく、栄養価も狩猟採集に比べれば劣るし、何より偏る。

極めつけは、生活の場が固定されることでそこを守る必要性が生じ、収奪などの争いごとが絶えなくなったこと。


じゃあ誰にとって都合が良かったのかというと、それは「人類のDNA」と「小麦」だ。


定住生活は妊娠出産をしやすくした
そして大量に同じ作物が出来上がるシステムは、多くの人類にカロリーを安定供給した。

だから、人類が増えるため、言い換えれば人類のDNAにとって農業革命はまさに「革命」だった。


小麦の目線に立つと、更に面白い。
人間が自分たちのことを必死こいて育てて守ってくれるようになったのだ。


確か『世界史を大きく動かした植物』に書いてあったのだと思うが、鳥類にはカプサイシンの受容体が無く、トウガラシの辛味を感じないらしい。

するとトウガラシは「虫には嫌われて、鳥には好かれる」ことになり、結果的により遠くまで自分の種子を運ばせることができるのだそう。

これを読んだとき「鳥はトウガラシに上手く利用されてるんだなあ」などと思ったものだが、『サピエンス全史』には「人類は小麦に家畜化されている」と書いてあって笑ってしまった。


確かに、おんなじだね。

世界を植物の目線で見るのも、結構面白い。

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